【記者座談会】通常国会が開会/東京協組が生コン値上げ | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【記者座談会】通常国会が開会/東京協組が生コン値上げ

A 会期を6月15日までの150日間とする通常国会が17日に開会した。政府は58本の法案を提出するね。

B 国土交通省関係の提出法案は、2021年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害を踏まえ、盛土災害防止の規制を強化する宅地造成等規制法改正案など5本となる。例年に比べると本数は少なく、道路局や水管理・国土保全局が所管する法案は今回ない。

C 国交省が提出を目指していた建築物省エネ法改正案と港湾法改正案は提出予定法案から外れ、「検討中」の法案という扱いになった。事実上の提出見送りとみられる。

D 参院選の投開票が7月10日と見込まれる中、会期の延長は難しいとして、提出予定法案の本数を絞ったことなどが影響している。

A 国交省関係以外の主な提出法案は。

B 経済産業省関係で省エネ法改正案を提出する。エネルギー使用の合理化を求める法の対象に非化石エネルギーを追加するとともに、一定規模以上のエネルギーを使用する事業者に義務付ける措置を拡大する。

C 環境省関係は、脱炭素化関連事業にリスクマネーを供給する官民ファンドを設立するため、その業務などを法定化する地球温暖化対策推進法改正案を提出する。

D 岸田文雄首相の肝いりである経済安全保障法案、こども家庭庁設置法案などが今国会の重要法案となる。建設工事受注動態統計の不適切処理問題に関する審議で荒れ模様が予想されるが、政府はこれら提出法案の会期内成立を目指す考えだ。

3000円の上げ幅に驚きの声

A ところで、東京地区生コンクリート協同組合が生コン価格を6月1日引合受付分から1m3当たり3000円値上げすると決めた。軽量コンクリートも、6月1日引合受付分から1000円値上げする。

E 原材料費や生コン輸送費、産業廃棄物処理費が上昇し続け設備更新などで約2000円分の値上げが見込まれる。加えて人材確保、従業員の処遇改善など内部留保の確保や、値上げが始まるまでの原材料の上昇分を考慮し、3000円の値上げとした。1-2年の間に3000円ほどコストアップすると考えているようだが、この期間内に大きな変動があればさらに値上げを要請される可能性も否定できない。実際に、骨材価格や産廃輸送費は上昇傾向にあり、毎年500円ほどコストアップすると想定されることから、この上げ幅になったようだ。

A その値上げ理由で受け入れられるのかな。

F セメント値上げの影響も踏まえ、2000円以内の値上げがあることは覚悟していたが3000円の上げ幅には驚きを隠せないと話すゼネコンもいるようだ。受注競争も激化しており、受け入れが厳しいとの声も出ている。

E 東京協組の非組合員から生コンを買うこともできるが、組合員が扱う生コンは品質が良いだけでなく、生コンが届きにくい場所に安定納入できる輸送力も持つと自負している。低炭素・環境配慮型コンクリートをつくることのできる技術力もあるため、メリットも重視してほしいようだ。

F 東京地区は大型物件が多く、新規の物件を受注した場合に契約時の価格では実際に使う時とかけ離れた金額になる可能性もあり、出荷時の価格にしてほしいという声もある。

E 東京協組でも出荷時の価格で納入できる対応を検討すべきとの意見もある。いずれにしても、両社が折り合える着地点を探ってほしいね。

都心ではプロジェクトが大型化しており、生コンも契約時の価格ではなく、出荷時の価格にするよう求める声もある

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