【建設業界にBIMは追い風】アートヴィレッヂの原行雄社長に聞く | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【建設業界にBIMは追い風】アートヴィレッヂの原行雄社長に聞く

                                         ※詳しくは画像をクリック(同社のHPに移行します)

2023年度までに公共工事でBIM/CIMが原則適用となる。各種施策に取り組む国土交通省の動きを念頭に、建設業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する取り組みが加速している。

アートヴィレッヂ(東京都練馬区、原行雄社長)は、12年12月にArchicadを導入し、13年4月から本格的に運用するなど、大手ゼネコンの物件を中心に「施工図」の作成を手掛けている。

「BIMは、日本の建設業の追い風になる」と語る原社長は、国交省の3次元都市モデル整備・活用・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」、東京都の「デジタルツイン」などの施策により、民間でも建設DXが進み、設計者が携わる業務の重要性が、広く一般に認識されると予見する。

具合的には、建物ナンバーの発行によって、資産管理の分野でもBIMデータが本格的に必要とされる。デザインに関する権利の明確化が内外に求められ、外観はもちろん、構造や設備など設計業務に対する評価が、これまで以上に高まる。

そこで、「意匠権」の設定が課題になる。施設の大小を問わず、設計者は自らのデザインについて企画段階から施主と綿密な打ち合わせをし、権利関係を明確にする必要が出てくると見ている。施設が中古物件となった場合なども想定し、施主の権利を守るため、あらかじめ意匠権などの権利者をはっきりしなければならないと指摘する。

同社では、BIMデータを、ビューアのBIMxやLiDAR、フォトグラメトリーなどの最新技術で分かりやすく表示し、施主などを交えたプロジェクトの調整などに役立てている。

これまで共有が困難だった現場での修正・変更なども同時進行で「見える化」できるほか、1つのプロジェクトに多くの視線が注がれるため、工期短縮にもつながると実感している。

それは今後、施設の維持管理の分野などにも着実に広がる。例えば、竣工後の施設内で設備の老朽化などの問題が発生した際、どのフロアのどの個所でトラブルが起きているか、解決の糸口が早期に見つかるようになるという。

原 行雄(はら・ゆきお)氏
1979年3月日大理工学部建築学科卒。学生時代にアルバイトで警視庁本部庁舎、大学卒業後は建築事務所に所属しイラクハイライズや東京高等裁判所など国内外の建設プロジェクトに参画。また、広尾ガーデンヒルズ、西武所沢店(現・西武所沢S.C.)、リクルート川崎テクノピアビル(現・川崎テックセンター)などの建設現場で施工図の作成業務に従事した。88年から現職。福岡県出身。54年10月6日生まれ、67歳。趣味は映画鑑賞。



【公式ブログ】ほかの記事はこちらから


建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら