【現実の街をサイバー空間に】国交省が全国56都市の3次元モデル整備 東京23区は先行公開中 | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【現実の街をサイバー空間に】国交省が全国56都市の3次元モデル整備 東京23区は先行公開中

 国土交通省は、現実の都市をサイバー空間に再現してオープンデータ化する事業で、1年目の2020年度に56都市の3次元都市モデルを整備し、このうち東京都23区のオープンデータを先行公開した。誰でも無償でダウンロードできる。スマートシティーなどまちづくり分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)の基盤として、利活用が今後進められる。

3D都市モデルのイメージ


 「Project PLATEAU(プラトー)」として、3次元都市モデルを整備・活用・オープンデータ化する事業に20年度着手した。2次元の地図と、建物・地形の高さや建物の形状などを掛け合わせて作成した3次元の地図に、建築物の名称、用途、建設年などの属性情報を加え、3次元都市モデルとして都市空間そのものをデジタル上に再現。人口流動、環境やエネルギーのデータなどと統合することで、都市計画立案の高度化、都市活動のシミュレーション・分析などが可能になる。

 3次元都市モデルのオープンデータは、社会基盤情報流通推進協議会が運用するG空間情報センターで公開している。23区以外の都市は4月にアップロードする。3次元都市モデルを整備した都市数は56だが、23区を1つとしてカウントしているため、地方自治体数では78に上る。

 また、公式ウェブサイト「PLATEAU バージョン1・0」を開設し、開発した3次元都市モデルのユースケース44件と、20年度の実証成果をまとめた各種マニュアルや技術資料など10件を公開した。主なユースケースとして、屋内外をシームレスにつなぐ避難訓練シミュレーション、都市計画の基礎調査情報を活用した都市構造の可視化などがある。

 国交省は21年度、3次元都市モデルの整備・更新・活用のエコシステム構築を重点的に進める。具体的には、簡易・効率的な整備・更新手法の開発、ユースケース開発の深化、街路空間(歩道・車道)や街路樹・標識など緻密なスケールでのデータ整備手法確立に取り組む。

 3次元都市モデルを整備した56都市は次のとおり。
 ▽札幌市▽福島県郡山市▽福島県いわき市▽福島県白河市▽茨城県鉾田市▽宇都宮市▽群馬県桐生市▽群馬県館林市▽さいたま市▽埼玉県熊谷市▽埼玉県新座市▽埼玉県毛呂山町▽千葉県柏市▽東京都23区▽東京都東村山市▽横浜市▽川崎市▽相模原市▽神奈川県横須賀市▽神奈川県箱根町▽新潟市▽金沢市▽石川県加賀市▽長野県松本市▽長野県岡谷市▽長野県伊那市▽長野県茅野市▽岐阜市。
 ▽静岡県沼津市▽静岡県掛川市▽静岡県菊川市▽名古屋市▽愛知県岡崎市▽愛知県津島市▽愛知県安城市▽大阪市▽大阪府豊中市▽大阪府池田市▽大阪府高槻市▽大阪府摂津市▽大阪府忠岡町▽兵庫県加古川市▽鳥取市▽広島県呉市▽広島県福山市▽松山市▽北九州市▽福岡県久留米市▽福岡県飯塚市▽福岡県宗像市▽熊本市▽熊本県荒尾市▽熊本県玉名市▽熊本県益城町▽大分県日田市▽那覇市。



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