【i-Con2022⑫】日立建機  i-Constructionを支える技術 クラウド上で点群データを作成 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【i-Con2022⑫】日立建機  i-Constructionを支える技術 クラウド上で点群データを作成

 日立建機は、建設現場で自社保有しているUAV(ドローン)で現場の空中写真を撮影すれば、クラウド上で点群データを作成できる「Solution Linkage Point Cloud(SL-PC)」を提供している。最大約5haまでの現場を点群化でき、利用料は月額5万5000円(税込み)。

 ICT施工では、現場の点群データを使って施工土量を計算し、施工状況を管理することが増えている。一方で測量会社などにデータ作成を外注するとコストが高く、納品までの時間がかかるなどの課題がある。
 一般的にUAVによる写真測量を行う場合、写真からSfM(Structure from Motion)で点群を作成する専用の「点群生成ソフトウェア」と、高性能なパソコン(PC)が必要となる。
 そのため、導入する際に高価な初期投資が必要なほか、測量に関する基礎知識、点群生成ソフトウェアの操作知識が求められている。
 一方でSL-PCは、クラウド上で点群生成処理を行うため、利用者がSfMソフトウェアを自身で購入する必要がなく、高性能なパソコンも購入が不要。また、専用の自動認識対空標識を利用すれば、SL-PC内で標定点・検証点を自動判別して写真とひも付けるため、時間のかかる標定点調整作業を省略できる。
 さらに、インターネットに接続された汎用パソコンで作業ができるため、現場作業所のパソコンで点群生成作業が可能となる。
 具体的な利用法は、①市販のUAVメーカーが提供している飛行計画アプリで、計測範囲の飛行プランを作成②自動認識対空標識を適切に配置して、中心座標をトータルステーション等の光波、GNSSローバーを使って計測、表形式(CSV)で保存③UAVを自動航行させて写真を撮影④ブラウザを使ってSL-PCに、撮影写真と標定点座標をアップロード⑤ブラウザを使って解析済みファイルをダウンロード⑥点群処理ソフトで解析という流れとなる。

 現場の3次元点群データは最適な施工計画の立案や日々の施工進捗の記録・管理に活用できる。また土木工事だけでなく、採石現場、ストックヤード、産業廃棄物処分場の在庫管理や受け入れ容量の管理、災害現場の現状把握などにも利用用途が期待されている。
 日立建機では「これから3次元計測やICT施工に取り組むような利用者に、安価に取り組めて、点群や3次元データへの取り組みのハードルを下げるようなツールとして利用していただければ」と話している。



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