【i-Con2024④】日立建機 協調安全現場の実現を目指す | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【i-Con2024④】日立建機 協調安全現場の実現を目指す

 2024年4月から建設業で残業時間の上限規制が始まる。建設業界では建設従事者の高齢化や若年層の入職希望者の減少など、労働力不足が深刻な問題となっている。国土交通省はこれらを背景にICT(情報通信技術)を活用することで生産性の向上を図る「i-Construction(アイコンストラクション)」を2016年から推進している。

 日立建機では、情報通信技術を搭載した新型ICT油圧ショベル「ZAXIS X-7シリーズ(ザクシス エックス ナナシリーズ)」をリリースした。ICT建機は施工図面に合わせて機械の操作をコントロールする機能が搭載されており、誰でも同じ品質で施工が可能になる。熟練オペレーターしかできない作業でも簡単に施工ができ、効率向上が図れる。

 「ZAXIS X-7シリーズ」には、建機の前方・周囲を撮影するカメラが搭載されており、建機の稼働状況を録画している。録画映像は、スマートフォンなどで見る事が可能で、オペレーターが死角などを確認できるほか、万が一の事故が起きた際40時間振返って状況を確認することが可能だ。

 このカメラ機能を拡張するオプションとして「Solution Linkage Work Viewer Cloud(ソリューションリンケージ ワークビューワクラウド)以下SL-WVC」をリリースしている。SL-WVCは、「ZAXISX-7」で録画した映像を、ネットワークを通じてクラウドに保存し、事務所に居る管理者などのPCやタブレット端末から、現場から離れた場所で作業の状況を確認することができる。

 施工現場では、進行の確認や急なトラブルの発生などにより、施工管理者への確認が頻繁に発生する。しかし、施工管理者は事務所内での作業も多く、現場にいないことが少なくない。電話などでは共有が難しい内容に対し目視での確認が必要となり、そのたびに現場への移動が必要となる。そこで、SL-WVCを利用することで、事務所から状況を把握でき移動に掛かる工数を減らすことができる。

 日立建機では現在、SL-WVCを普及、利用促進を図るため『Go!Go!キャンペーン』を24年3月末まで実施している。通常4万4000円/月のところ5500円/月で利用できる。日立建機では「施工現場全体の生産性の向上、安全性の向上を図る「協調安全」の現場の実現を目指したい」と話している。



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