ダイダンは、リニューアル工事の計画策定業務を効率化できる施工プロセスの可視化ツール「Construction Visualizer 4D」を開発し、実用化した。対象設備の3次元モデルを容易に作成した上で、その設備の搬出・搬入などの動きがどのようになるのか、直感的に3Dアニメーション動画で事前に確認できる点が特長だ。これで計画立案にかかる労力を低減するとともに、関係者間で手順やルートなどを円滑に情報共有できる。
設備機器のリニューアル工事では、既存の機器や配管の配置状況などのデジタルデータがないため、配置状況の調査や図面のデータ化、それに基づく施工計画の策定に多くの労力を要している。この効率化と生産性向上を実現するため、今回のツールを開発した。国土交通省の2021年度「i-Construction大賞」で優秀賞を受賞し、その後、ブラッシュアップして実用化した。
同ツールは、360度カメラと写真測量技術を駆使している。工事対象の機械室や機器、配管などを360度カメラで撮影後、その撮影データから、3Dモデルを作成する対象物に適した画像を切り出し、写真測量技術を使うことで容易に3Dモデルを作成できる。
その後、図面上で設備機器の搬出・搬入位置や揚重位置などを設定する。これで3Dモデルに時間軸を加えた4Dでの確認を実現。作業時の干渉チェックなど、設備機器の移動ルートや揚重作業の動きを3Dアニメーション動画で直感的に確認できるため、安全性を確保した効率的な施工計画策定が可能になる。
同社は今後、このツールを若手技術者の育成にも活用し、工事の流れや潜在する危険への理解を深めるための教育ツールとして使う。
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