【実感ある働き方改革へ】女性中心「リモートチーム」が現場支援 常駐減らし残業減に成果 ダイダン | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【実感ある働き方改革へ】女性中心「リモートチーム」が現場支援 常駐減らし残業減に成果 ダイダン

 ダイダンは、ICT環境を活用し、女性を中心とした「現場支援リモートチーム」による取り組みを進めており、現場常駐施工管理社員(技術者)の削減と技術者の残業削減に成果を上げ、生産性向上につなげている。工期18カ月の延べ8500㎡の事務所ビル空調衛生設備工事では、技術者3人と現場常駐CADオペレーター1人の体制だったが、リモートチームの支援によって、着工時に技術者2人と常駐CADオペレーターを減らし、現場での業務量も1608時間削減することができたという。今後は全社に水平展開し、「実感ある働き方改革」を実現させる。
 現場支援リモートチームは、適切な施工管理の遂行と技術者の労働時間削減を目的に2017年5月、東京本社内に設置。従来現場に常駐していたCADオペレーターと事務員を集約し、複数現場に対して柔軟に対応するとともに、多様な勤務形態が必要な女性社員の能力を効果的に発揮できるよう構成した。チームは各支店勤務9人と現場勤務6人の計15人で構成。CADオペレーター12人、事務員3人でうち12人が女性。子育てや育児のため4人が時短勤務している。

支店側の現場支援RTR(リモート・チーム・レビュー=遠隔チーム会議)の開催状況

 チームは、複数現場やモバイル環境から接続可能なウェブ会議、現場の図面や書類データを共有できるクラウドファイルサーバー、共通CADソフトのICT環境を使うことで、現場での進捗状況や図面などのデータを共有して、効率的に現場を支援する。また、使うCADを統一し、会議画面上で図面を複数人が確認することによって、機器や配管の収まり、設計上の問題点などを早期に発見して、会議に参加する技術部長らが若手技術者の指導も実施する。
 30歳手前の若年技術者が少人数で管理する現場などを支援対象とし、1つの部が年間30件程度を支援、常時10数件に対応している。
 支援は、▽着工-建物基礎工事開始▽基礎工事開始-設備着工開始▽設備着工-竣工の3段階に区分。基礎工事が始まるまでに、施工や総合、検討など設備着工時に必要な各種図面の作成を重点的に支援する。特に施工図はすべてを完成させる。施工数量が把握でき協力会社の早期選定と原価低減につながる。また、現場が進行しているときは、施工図や取扱説明書、自主検査記録などの作図や事務処理も支援する。
 チームの運営は、進捗状況確認や人員調整など、現場支援全体会議に当たる「現場支援RTR(リモート・チーム・レビュー、遠隔チーム会議)」を週1回20分程度、案件ごとの分科会に相当し、図面チェックと若年現場技術者の指導の場となる「図面RTR」を週1回1時間程度それぞれ開いている。
 ダイダンでは、支援組織を本部組織化せず、各支店の部単位で勤務場所が異なるCADオペレーターと事務員を共有、相互に支援することで成果を上げた。支援チームの取り組みは横浜、関東の両支店でも実施、全国各支店に広げる。今後は、通信環境の高速化などにも取り組み、現場技術者の残業削減や生産性向上を一層進めていく。

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