ダイダンは、再生医療向けに細胞を培養・加工するためのクリーンルーム施設であるCPF(Cell Processing Facility=細胞培養加工施設)をユニット化した「オールインワンCP(Cell Processing)ユニット」を開発した。既設の医療施設内に簡易に設置できることから、病院内で治療用の細胞を培養・加工するクリーンルームをコンパクト、安価での構築が可能となった。既に神戸市民病院機構の神戸市立神戸アイセンター病院へ導入。2019年度に再生医療を実施するクリニックや病院に対し、3台の導入を目指す。
このほか、気流によるエアバリア技術を適用することで、細胞培養作業をするワークエリア、サポートエリア、資材サプライエリアなど、異なる清浄度グレード間の扉をなくし、スムーズな動線も確保できるため、再生医療を実施するクリニックや病院へのクリーン環境の増設に適している。
標準仕様は幅5000mm×奥行き4500mm×高さ2300mm。予定価格は工事費別で1920万円。
再生医療向けに医師主導のもと細胞を培養・加工するには、エアバリアブースに加え、CPFと呼ばれるクリーンルーム施設が必要だが、CPFを構築するスペースやコストが壁となって、既設の病院やクリニックへの導入は進んでいない。このためダイダンは、オールインワンCPユニットを開発した。
神戸アイセンター病院へ導入したオールインワンCPユニットは、理化学研究所生命機能科学研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクト、同病院、ダイダンとの共同研究で今後活用する。同社はCPFの導入を容易にすることで、再生医療分野の産業化に貢献していく。
同社は、 医薬品製造施設向けの製品や技術を広くアピールするため、 20日から22日の3日間にわたり大阪市のインテックス大阪で開催する「第5回インターフェックス大阪」に出展する。 また、同時開催の「第5回再生医療産業化展」にも、 池田理化、カネカ、 テルモBCTと同社の4社共同で、 再生医療用のCPF向け製品を出展する。