【ダイダンと慶応大】大部屋型CPFを共同研究 間仕切り不要で清浄度B 再生医療の普及へ貢献目指す | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

公式ブログ

【ダイダンと慶応大】大部屋型CPFを共同研究 間仕切り不要で清浄度B 再生医療の普及へ貢献目指す

 ダイダンと慶応大学医学部輸血・細胞療法センターは、新しいコンセプトによる大部屋型CPF「エアバリアCPF」の研究を開始した。CPF内部にダイダンが開発した「エアバリアブース」を設置し、部屋としての間仕切りがなくとも清浄度グレードBを実現するもので、安全性を確保しつつ価格を抑え、再生医療の普及に貢献することを目指す。

慶応大学病院に設置した大部屋型CPF

 CPF(細胞培養加工施設)は、再生医療向けに細胞を培養・加工するためのクリーンルーム施設で、内部に清浄度グレードを段階的に設定して異物の侵入を防いでいる。清浄度グレードは従来、CPF内部を小部屋に仕切ることで実現しているため、間仕切り工事が多くその分空調設備も複雑になり、CPFの建設費・維持費の高騰につながり再生医療の高額化の要因の1つとなっている。
 エアバリアCPFは、CPF内部にダイダンの「エアバリアブース」を設置することで、部屋としての間仕切りを設けずに、手術室と同等の清浄な空間である「清浄度グレードB」を実現する設計となっている。エアバリアブースは、再生医療向けの半開放式のクリーンブースで、開口部からブース外へ一方向の気流を形成し、異物がブース内に侵入するのを防ぎ安全性を確保する。通常のCPFに比べ必要な建築面積を圧縮でき、建設費の30%削減が可能と試算している。
 共同研究では、同大学病院内のCPF内にエアバリアブースを設置し、大部屋型CPFの構造をつくり、扉なしでも内部の清浄性を確保できることを実運用の環境で実証していく。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら