【3Dプリント 構造部材に適用拡大】大臣認定を取得/清水建設 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【3Dプリント 構造部材に適用拡大】大臣認定を取得/清水建設

 清水建設は、建設3Dプリンティング用に独自開発した繊維補強セメント複合材料「ラクツム」を“構造用ラクツム”として粗骨材を混練したコンクリート材に改良した。東京コンクリート(東京都江東区、鈴木孝行社長)と共同で国土交通大臣認定を取得。構造部材への活用など、建築分野における3Dプリンティング技術の適用範囲が広がることになりそうだ。

プリンティングする 構造用ラクツム  

 3Dプリンティング材料として独自に開発したラクツムは、モルタルに合成繊維と混和材を付加した繊維補強セメント複合材料。形状を保持したまま2m以上の高さまで積層できる特長がある。
 ラクツムを使った造形物は耐久性にも優れる。積層界面が目視で確認できないほど一体化することから、内部に劣化の原因となる水や空気の侵入を助長する気泡や空隙が生じることもほとんどない。
 その一方で、建築法規の制約から建物の柱・梁の型枠など非構造部材にしか適用できないという課題があった。
 実際に建物の柱・梁の型枠(埋設型枠)としての活用を想定した場合、型枠の厚さの分だけ構造体の断面積が大きくなってしまうデメリットがあったが、大臣認定の取得で構造部材への適用が可能になるため、従来からの課題を解消できるという。
 3Dプリンティング用に最適化した材料特性を保持しながら、高強度コンクリートと同等の性能を発現する調合を確立するのと同時に、材料押し出し方式の3Dプリンティングシステム(装置)のポンプとノズルも改良した。
 同社は東京都江東区で建設を進める自社施設「(仮称)潮見イノベーションセンター」の一部に適用するなど、構造部材をプリントするための施工方法の確立に取り組む。



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