【洋上風力、8MW風車14基組立て】SEP船が威力発揮/清水建設 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【洋上風力、8MW風車14基組立て】SEP船が威力発揮/清水建設

ブルー・ウインドが組み立てた風車群


 清水建設は、北海道の石狩湾新港から約1600m沖合にある約500haの海域で、世界最大級の自航式SEP船(自己昇降式作業台船)「BLUE WIND(ブルー・ウインド)」による8メガワット風車14基の組み立てを完了した。施工中は台風などの困難な状況下にあっても許容誤差数mmという精緻な施工精度を確保・実現した。

 完成時には国内最大規模となる石狩湾新港洋上風力発電事業の洋上工事として実施した。発電施設は8メガワットの風車14基と66kVの海底ケーブル約15.5㎞で構成し、発電容量は112メガワット(接続容量約99メガワット)となる。洋上工事は日鉄エンジニアリングとのJV施工で、日鉄エンジニアリングが風車基礎と下部構造物の製造と施工、清水建設は風車のプレアッセンブル・洋上施工と海底ケーブル敷設を担当した。

 清水建設は、工事に当たり、石狩湾新港内に約10万㎡の巨大な作業ヤードを構え、3月から同事業に使用する風車のタワー・ナセル・ブレード(羽根)といった部材の受け入れを開始。SEP船での洋上施工に先行して、14基分の風車部材をヤードに仮置きするとともに、3分割された状態で輸入・仮置きされたタワーの組み立て作業やタワー内の配線工事などを陸上で進めた。

 ブルー・ウインドは、7月初旬に石狩湾新港へ入港後、8メガワット風車部材を2基分ずつ搭載して7回出港を繰り返し、計14基の風車を組み立てた。風車の洋上施工では、世界最高性能の2500t吊りメインクレーンがフル稼働し、許容誤差数mmという非常に精緻な施工精度が求められる中、タワー・ナセル・ブレードの各風車部材の据え付け作業を行い、台風や集中豪雨といった荒天に見舞われながらも、所定の工期内に完了した。

 同事業は、グリーンパワーインベストメントが設立したSPC(特別目的会社)の合同会社グリーンパワー石狩が事業者となり、2024年1月からの商用運転を目指している。

 同社は、ブルー・ウインドによる今回の巨大風車の洋上施工実績は大きなノウハウであり、洋上風車プロジェクト受注の競争力になるとしている。こうしたノウハウを生かした施工提案を行うことで、洋上風力発電施設建設市場のトップランナーとして国内外で建設プロジェクトを受注していく考えだ。

 

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