【AIが危険予知】作業内容から安全指示/前田建設ら | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【AIが危険予知】作業内容から安全指示/前田建設ら

 前田建設とSOLIZE(東京都千代田区、宮藤康聡社長)は、自然言語処理AI(人工知能)のアスペクトエンジンを使った危険予知システム「SpectA KY-Tool」を開発した。作業内容を入力すれば過去の災害データを基に予想される危険・安全指示を提示する。工事安全打合せシステムと連携すれば、安全日誌の作業内容から安全指示事項などを迅速に表示できる。

 現場で実施するKY(危険予知)活動やヒヤリハット活動では、熟練技能者の経験やノウハウを基に危険要因の検討や安全指示が行われ、指示者の能力によって内容にばらつきが出る。
 新システムは、現場の作業内容を入力するだけで、AIが約7000単語を収録した概念辞書から類似単語に自動でタグ付けし、関連する「災害事例」(約2000件)を選定する。その上で、選定された災害事例に関連する適切な「予想される危険・安全指示」(約8000件)を選択・提示する。災害データは、起こり得る災害のイラストを提示するなど、現場の危険有害要因を可視化して工事関係者で共有できる。熟練技能者も経験のない災害データも収録しており、類似労働災害の再発防止につながる。例えば、作業前のKY活動時にAIが選択した危険・安全指示をタブレットに表示しながら検討できるほか、気象や作業員の体調も入力すれば熱中症予防などにも役立つ。

システム画面の一例


 全社的に導入している独自の工事安全打合せシステム「TPMm」と連携すれば、入力した作業内容を基に過去の災害事例を踏まえて予想される危険と安全指示事項を安全日誌上に表示可能で、現場作業と並行して進める安全日誌の作成作業時間が短縮できる。



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