【日立・DFKI】着用型デバイスで身体負荷計測 部位ごとに定量評価・動作改善点を指摘するAIを開発 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【日立・DFKI】着用型デバイスで身体負荷計測 部位ごとに定量評価・動作改善点を指摘するAIを開発

 日立製作所とドイツ人工知能研究センター(DFKI)は、スーツ型ウェアラブルデバイスを着用した作業者の体にかかっている負荷などを部位ごとに定量的に評価し、作業動作の改善点を提示できるAI(人工知能)を開発した。作業支援や危険行動防止に活用でき、作業者の安全確保や健康管理、作業教育の効率化、未熟練者の作業効率改善につながるとみられる。
 作業者の身体的負荷を計測するシステムはこれまで、固定カメラの映像を利用する方法があったものの、カメラに映る範囲に計測範囲が限定され、死角が生じる複雑な現場や屋外で安定的・定量的に計測するのは難しかった。
 新システムは、人間の主要な動きの識別に必要な30カ所以上の関節部位の動作をウェアラブルデバイスのセンサーで計測し、体の各部位の状態認識モデルを個別に機械学習したAIで計測データを解析する。各部位の状態が組み合わさった動作の計測データをAIが認識することで、作業で体にかかる負荷を定量化できる。
 あらかじめ計測した模範作業の動作データと、実際の作業者の動作データを個別部位ごとに自動比較でき、重要な違いを生む作業個所と体の部位をAIが特定する。その上で、体への負荷が大きい部位の評価だけを作業者に提示できる。
 重量物の持ち上げ動作で実験したところ、作業の体への負荷をリアルタイムで定量評価し、腰や膝の動作が模範的な動作と異なることを自動的に指摘することを確認した。

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