【BIM2022】日本建築センター 中間検査に確認申請BIMを活用 | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

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【BIM2022】日本建築センター 中間検査に確認申請BIMを活用

 日本建築センター(BCJ)は、申請企業と連携した「確認申請BIM」の取り組みを加速している。建築確認を得たBIMモデルを中間検査や完了検査にも活用範囲を広げられるよう、清水建設によるAR、リアルタイム映像伝送技術を組み合わせた「指定確認検査機関による建築工事の中間検査をリモート化(遠隔臨場)」に協力し、導入効果を検証した。
 今回は中間検査の任意検査として、同社が設計施工する三愛会総合病院(埼玉県三郷市)を対象に、検査における通常の「目視検査」の一部を「BIMを活用した目視検査」に置き換えるとともに工事監理の状況記録をBIMに紐づける取り組みを試行した。
 具体的には、ARを活用し、モバイル端末で確認申請BIMを現地で可視化し、梁や柱と重ねて整合確認した。梁下や床に構造図を重ねて符号配置を理解しやすくしたほか、BIMモデルの透過や色分け機能を搭載。柱や梁に使用する鋼材ミルシートや溶接部の検査報告書などを属性情報として画面に表示し、工事状況記録を確認しやすくした。検査映像はリアルタイムに伝送してBCJの事務所とつなぎ、リモートによる中間検査を試行し、移動時間の省力化などを確認した。

ARで現地とBIMモデルおよび紐づけた報告書類等を確認


 引き続き完了検査に向けて、LiDARによる現地実測モデルと確認申請BIMのデジタル整合確認や自然排煙に有効な部分の確認などの機能拡張に着手している。
 BCJの中村勝確認検査部構造審査課課長は「属性情報がBIMモデルと紐づくため検査対象の把握が容易になり、検査の確度向上につながった」と効果を挙げる。
 清水建設の佐藤浩デジタルデザインセンター上席設計長は「法適合が確認されたモデルを活用することで信頼性が増し竣工後の資産運用にも活用できる」と期待する。



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