【中間検査をリモート化】ARとリアルタイム映像、確認申請BIM活用/清水建設 | 建設通信新聞Digital

5月16日 木曜日

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【中間検査をリモート化】ARとリアルタイム映像、確認申請BIM活用/清水建設

 清水建設は、建築確認で利用したBIMデータ(確認申請BIM)とAR(拡張現実)技術、リアルタイムでの映像伝送を使ったリモート中間検査システムを開発した。日本建築センターと連携して取り組むBIMデータを活用した効率化の一環となる。将来的に実用化できれば、建築基準法に定める現場での目視検査や工事監理に対する書類検査の効率化に役立つ。 建築確認に利用した「確認申請BIM」を、AR技術とリアルタイムでの映像伝送を使ってそのまま中間検査に活用する仕組みとなる。

 第1ステップとして、既にBIMデータを確認申請の事前審査に使うための「BIMデータによる確認検査システム」を構築して、その有効性を確認しているが、第2ステップとして、そこで活用したBIMデータ(確認申請BIM)を直接的に中間検査に利用。リモート(遠隔臨場)化による業務の効率化を狙う。

 部材の形状情報や性能情報の整合確認、施工状況の確認、書類検査を支援する4つの機能を配備。タブレット端末の画面に検査に必要なリアルタイム映像や建築確認で利用したBIMデータといった画像データ、BIMデータにひも付けた写真や帳票などの書類データを表示できる。
 検査員がそれらの画像データや書類データを目視で確認・検査するのと同時に、タブレット端末の画面情報をリアルタイムに遠隔地と共有できる特徴も併せ持つ。
 例えば、部材の形状情報の整合確認として、構造部材のリアルタイム画像に当該部位のBIMの3次元画像を重ね合わせたAR画像を表示できるなど、タブレット端末の画面に中間検査に必要なすべてのデータが表示されることから、検査員による検査の確実性が増す。

部材の形状情報の整合確認。構造部材のリアルタイム画像の上に当該部位のBIMの3次元画像を重ねたAR画像

 第3ステップとして、完了検査のリモート化を視野に建築仕上げや設備に対応したシステムの構築に取り組む。事前審査から完了検査まで一連の仕組みづくりを目指す。

◆三愛会総合病院 任意検査に適用/日本建築センターも評価
 清水建設が設計施工する三愛会総合病院(埼玉県三郷市)に第1ステップとなる「BIMデータによる建築確認システム」、第2ステップとなる「リモート中間検査システム」を適用した。従来の中間検査とは別の任意の中間検査として、同システムを活用した検査を実施した結果、日本建築センターから「検査のリモート化には法改正が必要だが、遠隔地からも現場にいる感覚で検査できる」と評価。将来的な実用化に大きな期待が寄せられた。



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