【衛星データ利活用を促進】6者による新会社「衛星データサービス企画株式会社」設立 | 建設通信新聞Digital

4月23日 火曜日

公式ブログ

【衛星データ利活用を促進】6者による新会社「衛星データサービス企画株式会社」設立

 三菱電機とパスコ、アジア航測、スカパーJSAT、日本工営、リモート・センシング技術センターの6者は、災害時の迅速な状況把握や平時の継続的な国土・インフラ監視などに共通的に幅広く適用可能な衛星データ解析情報提供サービスの事業化を進めるため、「衛星データサービス企画株式会社」を6月に設立することで合意した。2023年度からの本格サービス提供開始を目指して事業検討を進める。近年甚大化する自然災害に迅速・確実に対応できる体制を構築し、安全・安心な社会形成を通じたSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献していく。

事業イメージ


 新会社は、衛星開発から運用、データ解析、コンサルティングに至る一連の衛星データサービスのバリューチェーンを構成する企業の知見を結集し、政府・自治体を始めとする幅広いユーザーの業務に資する衛星データ解析情報を提供することで、衛星データの利活用を促進する新たなビジネススキームを構築する。

 具体的には、日本全国の広範囲かつ継続的に取得した衛星データに対して、多様な利用分野に横断的に適用可能な解析処理を逐次実施し、その結果を共通データ基盤として整備することで低コスト化を実現する。衛星データを利用する事業者は、サービスに応じて共通データ基盤から必要なデータを必要な時に利用し、自身が保有するさまざまなデータや技術と組み合わせることにより、容易に付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。

 また災害時では共通データ基盤に継続的に蓄積された情報を用いてより正確かつ広域の被災状況の分析を行い、衛星観測からデータ解析、被災情報の提供までをワンストップで行うことを目指す。さらに事業化に向け、衛星データを用いたインフラ維持管理手法の実証などを通して、関係機関と連携した利用基準の策定を推進していく。

 新会社は資本金2億円とし、三菱電機が25%、パスコが20%、アジア航測とスカパーJAST、日本工営が各15%、リモート・センシング技術センターが10%を出資する。従業員は15人。社長は三菱電機から派遣する予定だ。所在地は東京都千代田区飯田橋4-6-1の21東和ビル5階。

 20年6月に閣議決定された「第四次宇宙基本計画」では「災害対策・国土強靱化や地球規模課題の解決への貢献」が新たに明記され、衛星データ利用の推進が期待されている。一方でこれまでの衛星データ利用事業では事業者が一連のデータ整備や解析を自ら行う必要があるため投資や費用負担が大きく、実利用への適用可能性(精度や制約条件など)が十分に検証されていないことや衛星データの利用基準が定められていないことも普及を妨げる要因となっていた。



建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら