【宮城県北部・記録的豪雨】官民一体で被災箇所を応急復旧 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【宮城県北部・記録的豪雨】官民一体で被災箇所を応急復旧

落橋した丸山橋の被災状況 (提供:東北地方整備局)


 宮城県北部各所で観測史上最大の時間雨量を記録した15日からの大雨により、各地で浸水被害や道路の流出、落橋などの被害が発生した。宮城県建設業協会(千葉嘉春会長)の会員企業が被災箇所の応急復旧工事に当たっているほか、東北地方整備局は18日、落橋した丸山橋(宮城県大崎市岩出山)にTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣し、調査に入った。

 同局が管理する直轄河川は宮城県内の吉田川と善川、鳴瀬川の3河川で計18カ所の内水氾濫が発生した。宮城県管理河川では鳴瀬川水系名蓋川と北上川水系出来川で4カ所の堤防が決壊しており、大型土のう積みによる応急復旧を進めている。このほか、4水系13河川で溢水(いっすい)・越水が確認され、浸水面積や家屋被害などは調査中となっている。

 岩手県でも北上川水系3河川で越水発生・漏水を確認したが、18日時点で解消した。補助砂防関係では、宮城県内で8カ所の崖崩れがあり、家屋への被害もあった。山形県では斜面崩壊が1件発生した。

 同局は大崎市など宮城県内5市5町1村とのホットラインを構築し、宮城県と2市3町にはリエゾン(現地情報連絡員)を派遣した。排水ポンプ車8台と照明車5台も出動した。

 宮城県の発表によると、河川以外の被害状況は18日時点で住家被害が床上浸水335戸と床下浸水696戸、一部破損1戸の計1032戸。農業関連の被害額は調査中だが、農地約3251haや10カ所の揚水機場が冠水・水没するなど被害は甚大だ。ため池関係でも堤体の決壊や法面の崩落・亀裂が見つかった。

 道路関係では、県管理の国道398号が南三陸町志津川字御前下地区で約100mにわたり流出した。加美町の国道457号菜切谷橋で路面が陥没するなど、26路線53カ所が被災した。市町村管理分の被災箇所は69路線89カ所で、落橋した丸山橋(長さ25m)には、同局のTEC-FORCEを派遣し、現地で調査を進めている。

 宮城建協のほか、建設コンサルタンツ協会東北支部が宮城県土木部、同局北上川下流河川事務所からの要請を受けて対応している。宮城県測量設計業協会も県と大崎市からの支援要請を踏まえて、19日に対策本部を設置した。現地の排水完了後に対応可能な会員企業の調整を進めている。


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