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【庭園デザイナー 石原和幸×建築家 隈研吾】世界最高峰の造園コンクールに挑む

最終更新 | 2022/08/18 10:32

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グローバルに活躍する庭園デザイナーの石原和幸氏と、建築家の隈研吾氏。世界の潮流を知り、庭園文化への思い入れが深い両氏がコラボレーションし、2023年5月に開催される世界最高峰の造園コンクール「チェルシー・フラワーショー」に挑む。作品にかける思いとともに、今後の建築と庭園の可能性について語ってもらった。

両氏の出会いは、静岡県と静岡市が整備した「日本平夢テラス」(同市)のプロジェクトにさかのぼる。隈氏が法隆寺夢殿から着想を得て、地元産のヒノキとスギをふんだんに使った展望施設と展望回廊、それに調和する石原氏が手掛けた坪庭。黒の御影石のボーダーのデザインやシンプルでモダンな和風デザインを採り入れ、古き良き枯山水のような雰囲気を残しつつも、モダンな印象に仕上げた。18年のオープン時には、富士山を望む自然景観と調和した見事な「共演」が話題を呼んだ。

それから数年の時を経て、今回はガーデニング大国・英国で開かれる最大のイベントに向けてタッグを組む。石原氏の庭と隈氏の茶室が同じステージでセッションを繰り広げる。「ゼロから議論してつくり上げる本格的なコラボレーションは今回が初めてで、夢のようだ」と石原氏。隈氏も「石原さんの庭は日本文化の神髄といえる。それが伝わっているからこそ、英国の人々、ひいてはロイヤルファミリーにまで愛され尊敬されている。お誘いをいただき、一緒にできたらすごく素敵だと思った」と応じる。

23年チェルシーフラワーショー アルチザンガーデン部門  出展作品  「ZEN NO NIWA~禅の庭~」 (イメージ提供:石原和幸デザイン研究所)

 

その作品名は『ZEN NO NIWA~禅の庭~』。計画当初は「五輪に臨む選手が禅の心を感じ、心を落ち着けられるものをつくりたい」と考えた。東京五輪の開催予定だった20年の出展を目指した作品だったが、コロナ禍の影響を受けて出展延期を余儀なくされた。逆境の中でも「隈さんが設計する茶室と私の庭を一つの空間として、見た瞬間にいいなと感じてもらえるようなおもてなしの心を世界に伝えたい」(石原氏)と出展への思いを強くした。

 

(いしはら・かずゆき)1958年生まれ。石原和幸デザイン研究所代表。22歳で華道の池坊に入門。以来、花と緑に魅了され、地元で路上販売から花屋、庭づくりを始める。チェルシー・フラワーショーで11個の金メダルを獲得し、英国エリザベス女王に「緑の魔術師」とたたえられる。

チェルシー・フラワーショーで数多くの受賞経験を持つ石原氏だが、根底にはいつも「圧倒的に美しい庭」へのこだわりがある。「季節は春夏秋冬だけではないはずだ。少なくとも私は、365日それも朝昼晩それぞれあると思っている。その日その日で表情が異なる景色を感じてもらいたい」

一般的に庭は引いて鑑賞するといわれるが、寄って見ても手入れの行き届いた美しい庭にするには、「葉の裏側に至るまで全てを美しく見せ、10cm単位の細かい間隔で仕上げていく必要がある」と信念を語る。当日朝7時から始まる審査に合わせて「庭に設ける滝を朝の光に合う透き通った水にし、滝を覆う植物の開花を審査時間に合わせることが何より大切だ」と話す。扱う植物の品種も相当数に上る。

石原氏といえば、英タイムズ紙で「モスマン(コケ男)」というニックネームをつけられるほど、コケの使い手として評価が高い。今回は現地と限りなく気候条件が近いノルウェーから調達しており、その手腕に期待が集まる。

 

 

 

 

 

 

 

◆動の世界へ導く茶室

(くま・けんご)1954年生まれ。90年隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。30を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。主な著書に『点・線・面』(岩波書店)、『ひとの住処』(新潮新書)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)ほか多数。

隈氏は「これまでは建築として主張しなければならないというある種のプレッシャーがあったが、今回はとてもリラックスして楽しく取り組めた」と笑顔で話す。「建築家として主張し過ぎず、石原さんとの相互関係を見せること」を心掛けたという。
隈氏といえば、国立競技場に代表されるように、国産木材をふんだんに使用した木のぬくもりが感じられる建築で知られる。今作でも国産木材のルーバーは全て等間隔に配して存在感を高めた。屋根にはガラスを取り入れるが、実は「ルーバーとガラス屋根を組み合わせるのは今回が初めて」と語る。「縦のルーバーの存在感さえあればそれだけでいい」と考えた。
前面の庭から、隈氏が設計した広さ3畳ほどの茶室に導かれる。「一般的な茶室のように全部を隠すのではなく、ルーバーを通してわずかに水や鳥の音が聞こえ、木漏れ日が入ってくれば素敵でしょう」。石原さんはそう思い描く。
隈氏も、ルーバーの内外どちらからも庭を感じられる「庭と建物の相互作用」を意識した。チェルシー・フラワーショーでは、庭にパビリオンのようなものをつくる作品を見かけたが、「日本文化の神髄ともいえる相互作用を生かしたものはない。これを石原さんとつくりたい」と話す。

◆建築と庭の関係性
隈氏は、根津美術館をはじめ、庭と一体化した空間づくりを数多く手掛けてきた。建物規模にかかわらず、「設計では常に庭との関係性を考えている。建築の際(きわ)は庭の際でもある。だからこそ、その接点をどうするのか。いつもその関係性を気にしている」という。
石原氏も「境目には最も技術の差が出る。庭と建物が自然にオーバーラップし、建築に庭が入り込むことがあってもいい。例えば自然石を建物の中に入れ込み、そのランドスケープ全体で考えるようなことができれば」とアイデアは尽きない。
隈氏も「それはすごく面白いと思う。日本の伝統建築にはよくある。日本のように雨が多く決して穏やかとはいえない気候条件の場で、そういう風に庭と建築が入れ子になっていることをやってきたのは、日本人がいかに近くに自然をほしがっているかの表れだ」と指摘する。

◆日本の庭を世界へ
石原氏はショーに出展する際、毎回40人ほどの庭師やスタッフを同行させる。施工時間は合計100時間を超え、2、3交代で作業に当たる。簡単な作業ではないが、「彼らと寝食をともにして庭を語らう時間が、年に1回の宝物だ」だと笑みをこぼす。
作品にかける費用はライバルよりかなり少ない。それでも勝てるのは「信頼し合っている師弟関係があるからだ。損得を超えてきちんと仕事をしてくれるからこそ、多くの人を感動させられる」と考える。日本の職人の器用さを海外に向けて発信すれば、仕事にもつながる。「彼らが腕に見合った報酬を得られる環境をつくりたい。この業界でそれができれば、ほかの分野にも大きな影響を与えると思う」
隈氏も「日本の芸術の中でも庭は本当に素晴らしい。それは庭師が培ってきた技術と美意識により、日本の庭に研ぎ澄まされたセンスがあるからだ」と語る。さらに「これからどんどん世界に持って出ていくべきだ。石原さんはその先頭に立って挑戦している。庭園という閉じた世界ではなく、世界のランドスケープを、その大きな空間をデザインすれば面白い」とエールを送る。

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