【動画・UAVで胆沢ダム監査廊内を点検】遠隔操作で合理化/八千代エンジニヤリング | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【動画・UAVで胆沢ダム監査廊内を点検】遠隔操作で合理化/八千代エンジニヤリング

 

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 八千代エンジニヤリングは、東北地方整備局が管理する胆沢ダム(岩手県奥州市)で、UAV(無人航空機)の遠隔飛行による監査廊内点検の実証実験を公開した。北上川ダム統合管理事務所胆沢ダム管理支所(小原昭彦支所長)の協力のもと、小型UAVを遠隔操作して狭小な監査廊内を撮影し、リアルタイムで動画を取得した。徒歩と目視による週1回の日常点検に比べ、大幅な時間短縮と安全性の向上、作業員の負担軽減、省人化などにつながるため、早期の実装化が期待される。
 2013年11月に完成した胆沢ダムは高さ127m、ダム長723mで、東北地方屈指の規模となる。本体内の監査廊が長大であることから、ダム総合点検実施要領に基づき、日常点検は作業員2人で半日がかりの作業になっている。震度4以上の地震が発生した場合、発生から3時間以内に臨時点検を完了させる必要があるものの、「職員が不在の夜間や休日に発生した場合は、宿舎から駆け付けての点検になる」(小原支所長)とし、2次災害の恐れなど安全面の課題も抱える。
 この日実験では、自律飛行できる高性能な小型UAVが高さ2.5m、幅2.0mの監査廊内を150mにわたって飛行した。管理支所内からの遠隔操作により離着陸や移動、回転などの動作を繰り返した。

小型UAVが監査廊内を150mにわたって飛行


 今回の実証実験では▽監査廊内の通信環境▽インターネット接続時のセキュリティー▽UAV離発着および格納場所▽UAV自動充電システム▽監査廊内照明設備の増強▽狭あい空間の飛行精度--などの課題について確認した。
 今回の実証試験について開発を担当している粟飯原稔八千代エンジニヤリング北日本支店河川・水工部部長は「毎秒1mほどの飛行速度で、胆沢ダム監査廊内は計算上約20分ほどで点検が完了できる」と作業時間の大幅な短縮効果を強調した。今後は「今回の実験で得られた課題を一つずつ検証・解決しながら、実装に向けて開発を進めたい」と話しており、自動運転によるさらなる省力化を目指す考えだ。
 三上博司北上川ダム統合管理事務所副所長も「さまざまな新技術を組み合わせながら効率的なダム管理を目指したい」とし、引き続き新技術の活用に意欲を示している。

管理支所内から遠隔操作。離着陸などの動作を確認した



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