【動画ニュース・インフラDX人材育成拠点が開所】東北整備局 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

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【動画ニュース・インフラDX人材育成拠点が開所】東北整備局

 

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◆全国初の除雪機械操縦訓練も

 東北地方整備局がインフラDX(デジタルトランスフォーメーション)の拠点として整備を進めていた「東北インフラDX人材育成センター」と「東北インフラDXルーム」が28日に開所した。宮城県多賀城市の東北技術事務所内に設置した同センターは、全国唯一の除雪グレーダー運転シミュレーターなどを備える。建設生産プロセスでのインフラDX促進に向けた人材育成の場として、発注者と受注者双方が3次元データやデジタル技術の知識を習得できる施設となる。同局内の東北インフラDXルームと連携することで、インフラDXに関する情報も発信する。

 同センターは▽人材育成ルーム▽DX・プレゼンルーム▽XR(あらゆる仮想空間技術)ブース▽シミュレーターブース▽無人化施工エリア▽UAV(無人航空機)訓練施設▽体験型河川堤防等実習施設▽体験型土木構造物実習施設--の八つで構成する。

 このうち、高性能PCを備えた人材育成ルームでは、3次元モデルの新規設計や現況地形の3次元モデル化などの技術を学ぶことができる。DX・プレゼンルームは、大型モニターや電子黒板を活用したプレゼン能力の向上や、遠隔臨場による出来形確認の訓練などを行う。

 XRブースは、河川氾濫シミュレーションや内部構造の臨場感あふれる映像による学習、MR(複合現実)による各種構造物の離隔や景観、出来形確認の学習の場となる。屋外の無人化施工エリアでは、遠隔操作式バックホウやロボQs(簡易遠隔操縦装置)による掘削・揚重作業などの遠隔操作が体験できる。既存の体験型実習施設は、AR(拡張現実)を使った構造や不良施工事例の学習、3次元測量・出来形管理実習などの新たな活用方法に取り組む。また、操縦訓練や空中写真撮影の訓練を安全に行える屋内型UAV訓練施設なども備える。

除雪グレーダー運転シミュレーションを体験する山本局長


 インフラDXの推進拠点となる東北インフラDXルームは、高速通信網などで映像や資料などの共有を効率化する。また、高い臨場感で業務が遂行できるデータと、デジタルによる技術革新を促し、情報収集・情報共有ツールの導入により、災害現場などへの技術支援や情報連携を強化する。

センター開所式・左から蒔苗教授、山本局長、高橋秀典東北技術事務所長

 センターの開所式で、山本巧局長は「建設業の生産性向上と効率化を実現するためにはデータやデジタル技術の活用が重要であり、DXを使いこなせる人材の育成が大切だ」と強調した。来賓の蒔苗耕司宮城大教授も「紙ベースからデータベースへと建設産業の生産プロセスが大きく変わっている。国が先導し、自治体や地元建設企業までDXが行き渡ってほしい」と期待を寄せた。

 DXルームの開所式では、中平善伸企画部長が「最新のDXを活用して迅速な情報共有と現場支援、さらに職員の新しい働き方を先導する。ここを活用して職員全員の意識改革に取り組みたい」と語った。
 デモンストレーションでは、国道4号仙台拡幅箱堤交差点立体化事業の現場と中継したほか、UAVで撮影した国道121号(山形県米沢市)の災害発生現場について崩落状況を3次元点群化した。

ルーム開所式・蒔苗教授(左)と中平企画部長




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