清水建設は、セメント系固化材による地盤改良工事で、施工後の強度を化学的手法を使って短時間で判定する技術「C-QUIC」を開発した。セメントのアルカリ成分と酸の中和反応により、改良直後に採取した未固結状態のソイルセメントに含まれるセメント量を推定し、改良地盤内に適正量の固化材が混ざっているかどうかを30分程度で判断する。
施工直後に採取したソイルセメントに酸性の試薬を混ぜ、水素イオン濃度指数(pH)を測定することで固化が進んだ材齢28日時点の強度を推定。試薬を混ぜてから30分後に試料のpHがアルカリ性ならば、強度の発現に十分なセメント量が改良地盤に含まれていると判断できる。混ぜる試薬の量は、設計基準強度を満たすために試料に含まれるセメント量に対してアルカリ成分をすべて中和させるのに必要な量とする。
改良地盤が固まる前に施工の良否を確認できるため、地盤改良工事を合理化する。施工直後に改良地盤の強度を判定することで過大な安全率を見込む必要がなく、固化材使用量、施工に伴うCO2排出量を削減できる。
従来は、施工場所で採取したソイルセメントが固まるのを待ち、材齢28日の試験体の強度を圧縮試験器で確認していた。強度不足と判定された場合、再施工に手間がかかり工程が遅れる課題があった。
今後、現場での適用に注力するほか、外販に向けて準備を進める。
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