ダイダンは13日、設備機器向けの養生作業を効率化するツールを開発したと発表した。2018年10月に公表した施工中の機器をちりやほこり、塩害から保護する「サッとカバー」に続き、養生作業をさらに効率化する「メンテカバー」と「フィンカバー」を新たに開発した。特徴は、材料が安価で現場での製作が容易なこと。繰り返しの着脱も簡単にできることから、安全で効率的な養生作業を可能にしている。同社はこれらのツールが、広く建設現場の生産性向上に役立つとみて、ホームページ上で製作、取り扱い方法の解説動画を公開した。
建築現場は人材不足が喫緊の課題で、 中でも空調機など多数の機器を設置する設備工事では、 養生作業が煩雑でコストのかかる作業になっていることから、 同社は養生作業効率化のツールを開発した。
「メンテカバー」は、天井内に納める設備のメンテナンススペースを工事期間中に確保する。機器の点検やフィルター交換などのメンテナンスでは、機器の周囲にメンテナンススペース(作業用空間)が必要となる。このスペースに誤ってダクトや配管などを設置しないよう、従来は空箱や洗濯物を入れる折畳み式カゴのランドリーバックなどをテープで機器に仮固定して作業者に注意を促していたものの、繰り返しの着脱で箱のはがれや落下が生じることがあった。
「フィンカバー」は、パッケージエアコンなど室外機の熱交換フィン部を保護する。従来は、プラダン板(プラスチック製段ボール)などを使っていたが、強い衝撃からは機器の熱交換フィン部などを十分に保護することができなかった。
開発した「フィンカバー」は、樹脂製の網を室外機のサイズに合わせて現場で加工する養生カバー。網には棒状の支持材(全ネジなど)を編み込むことによって空間をつくり出すことで、衝撃を分散する構造とし、保護性能を向上させた。同社はこの構造にかかわる部分の特許を19年2月に出願している。
「サッとカバー」は、カバーに伸縮性を持たせることで、繰り返しの着脱作業を容易にした。同社の施工現場で既に累計2800台以上のエアコン室内機での使用実績がある。同カバーはサンロードが販売している。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら