【記念シリーズ・横浜市公共建築】第43回 金沢区総合庁舎・金沢公会堂 | 建設通信新聞Digital

5月16日 木曜日

横浜市公共建築100年

【記念シリーズ・横浜市公共建築】第43回 金沢区総合庁舎・金沢公会堂


◆「和の趣」感じるデザイン
 隣接する泥亀公園のリニューアルと併せて進めた建替事業で、地域性に配慮した区役所、消防署、公会堂の複合施設に生まれ変わった。庁舎は、エントランス上部の縦格子や壁面緑化により表現した市松模様など、鎌倉時代からの歴史に倣った「和の趣」を感じるデザインとなっている。屋上緑化やエコボイド(吹き抜け)による自然換気、地中熱による空調設備など、自然エネルギーも積極活用している。
 客席数603席の公会堂は、浮床・遮音壁・遮音天井で騒音・振動を遮断する。客席は余裕のある広さと落ち着いた内装とすることで、残響時間1.2-1.7秒の音響性能を確保した。緞帳(どんちょう)は金沢八景の野島を描いた浮世絵から、座席は区の花のボタンをイメージした色から選定するなど、随所に金沢区らしさを醸し出している。
 設計は国設計が担当。工事は3工区に分けて進めた。第1工区(区役所・消防署棟)はCFT一部S造(免震構造)8階建て延べ1万5056㎡。松尾工務店・小俣組・大洋建設JVが施工した。
 RC造2階建て延べ1102㎡の第2工区(中央棟)は小俣組、SRC造5階建て延べ4375㎡の第3工区(公会堂棟)は小俣組・日成工事・安藤建設JVが施工した。第1工区は2015年、第2・3工区は18年に竣工した。所在地は金沢区泥亀2-9-1。



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