【記念シリーズ・横浜市公共建築】 第39回 港南区総合庁舎 | 建設通信新聞Digital

5月18日 土曜日

横浜市公共建築100年

【記念シリーズ・横浜市公共建築】 第39回 港南区総合庁舎

【安全・安心、環境に配慮】

区役所、消防署、福祉保健センターの機能が入る総合庁舎として2017年に完成した。免震構造や地下鉄の湧水を利用した空調を採用するなど、安全・安心、環境への配慮に意欲的に取り組んでいる。

施設の基本方針として、▽災害に強い▽省エネで地球環境へ配慮▽誰でも利用しやすい▽周辺環境や地域性に配慮–を設定して整備を進めた。

災害対応では万が一の浸水に備え、受変電設備や主要電気設備などを上層階に配置した。

自然光を反射させて室内に取り込むライトシェルフや、自然風を取り入れやすい自然換気設計で中間期の冷暖房負荷を抑制するほか、地下鉄トンネルから出てくる湧水と太陽熱を利用した空調熱源利用システムを採用するなど、自然エネルギーを有効活用している。

これらの取り組みにより、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)横浜で最高位のSランクを取得した。

圧迫感を低減するため、上下と左右に分節化した外観も大きな特徴。低層部には隣接する建物の庇(ひさし)の高さにそろえたレンガタイルの大庇を設置し、周辺環境と調和させた。

設計・監理は小泉アトリエ、建築施工は1工区を渡辺組・見上工業JV、2工区を鹿島・谷津建設・中島建設JVが担当した。規模は地下1階地上8階建て延べ1万7334㎡。地下はRC造、地上はS一部コンクリート充填鋼管(CFT)造、SRC造。

所在地は港南区港南4-2-10。


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