【動画ニュース】県民、国民の期待背負い 首里城正殿を復元/施工=清水・國場・大米JV | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【動画ニュース】県民、国民の期待背負い 首里城正殿を復元/施工=清水・國場・大米JV

 

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 2019年10月に焼失した首里城正殿復元整備工事の起工式が3日、那覇市の首里城公園内特設会場で開かれ、参加した国会議員や地元関係者ら約240人が工事の安全を祈願した。施工は清水建設・國場組・大米建設JVが担当する。式典に参加した清水建設の井上和幸社長は「県民、国民の皆さんの期待をひしひしと感じている。しっかりと良い仕事をしたい」と意気込みを語った。正殿の完成は26年秋を予定している。  

 起工式の前には、正殿の再建に使う予定の御材木を首里城まで運ぶ「木遣(きやり)行列」が行われた。琉球王国時代、平成の復元時にも実施した行事で、県内外から集まった参加者約130人が当時の衣装を身にまとい、守礼門までゆっくりと歩いた。
 御材木は、国頭村で切った樹齢98年の「オキナワウラジロガシ」で、長さ9m、重さ約4t。正殿の玉座の上にある梁(はり)に使われる。

防火・防災対策を強化/2026年秋の完成目指す

 起工式では、式辞や事業概要の説明、琉球舞踊の披露などがあった。岡田直樹内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)は「首里城は、沖縄県民の心のより所であり、19年の火災による県民の心痛は極めて深い。県と連携し、国として責任を持って復元したい」とあいさつした。玉城デニー沖縄県知事は「きょうの起工式は、1日も早い首里城の復元を願う県民をはじめ、国内外の皆さんの思いの結実に向けた大きな一歩」と期待と喜びを表現した。
 式典後、関連行事の「ノミ入れ式」が隣接の木材倉庫で開かれ、正殿の再建に使う予定の国頭村産木材「オキナワウラジロガシ」にノミを入れ、くす玉を割って祝った。

 工事は、木造3階建て延べ1199㎡の正殿、S造2階建て92㎡の仮設階段棟、S造3階建て延べ3397㎡の素屋根などの建築、電気、機械、エレベーター設備工事と、木材倉庫・原寸場などの取り壊しを実施する。使用する木材は、国産のヒノキなど大径材だけで535本に及ぶ。設計は国建。施工は清水建設・國場組・大米建設JVが担当する。22年度は素屋根の建設、23-26年度は正殿本体工事を予定している。
 30年ぶりとなる今回の「令和の復元」では、火災の反省を生かし、前回復元時にはなかったスプリンクラーや漏電遮断機、連結送水管に接続した放水口を新設するなど防火・防災対策を強化する。また、「久志弁柄」の塗装や西之廊下の延伸など、新たに見つかった資料に基づいて復元する。復元過程は段階的に公開し、学習の場や観光資源として活用する。総工事費は約120億円を見込む。



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