【記者座談会】第2次補正予算案が決定/首里城正殿が起工 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【記者座談会】第2次補正予算案が決定/首里城正殿が起工

A 政府が10月末に策定した経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案が決まった。ポイントは。

B 政府全体は一般会計の追加額が29兆9996億円で、うち経済対策関係を29兆0861億円とした。措置済み予算の減額補正を行うため、差し引きで最終的に28兆9222億円の追加になった。

C 経済対策関係分は、第一の柱とする「物価高騰・賃上げへの取り組み」が最多の7兆8170億円となっている。エネルギー・食料品などの価格高騰を踏まえた生活者・事業者への支援に、この8割を充てる。

D 経済対策決定後の会見で岸田文雄首相は物価高から生活や中小企業を守ることを最優先事項に挙げていた。ここが予算のメインだね。

A 四つ目の柱となる「国民の安全・安心の確保」はどうだったかな。

B 柱別で2番目に大きい7兆5472億円だった。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の3年目分として、政府全体で1兆5341億円を計上する。2年目分を131億円上回った。このうち国土交通省分は、493億円増の1兆1166億円となっている。国交省分が1兆円を超えるのは3年連続だ。

C 5か年対策は事業費で総額15兆円程度を確保する。この国費は7兆円台半ばとなる。3年間の国費合計額は5兆円で、約7割に達した。残りが2年で2兆円超となる。単純に等分すると、今後の2年間はこれまでより予算が少なくなりそうだ。

D スピードを落とすことなく、継続的・安定的に国土強靱化を進めるために、「ポスト5か年対策」の早期策定が待たれるね。

沖縄の期待に全力で応える

A ところで、首里城で発生した火災で正殿などが焼失してから3年を迎える。復興の様子はどうだろうか。

E 全焼7棟を含む被災した9棟のうち、正殿は、がれきの撤去や仮設道路の設置が終わり、大径材などの木材の確保も順調に進んでいる。3日に首里城公園内で正殿復元整備工事の起工式が開かれ、いよいよ工事が本格化する。「令和の復元」では防火・防災対策を強化し、新たな知見に基づいて復元する。

F 南殿や北殿は、敷地を正殿復元工事のヤードに使っている。正殿の復元が終わる26年秋以降に復元整備に着工する見通しだ。

E 現地では、10月29日から11月3日にかけて「首里城復興祭」が開かれた。首里城復興特別見学ツアーや古式行列、首里城の造営に使う木材「御材木」を伐採地の国頭村から那覇市に運ぶ木曳パレード、メインイベントの木遣り行列などがあった。御材木は、樹齢98年の「オキナワウラジロガシ」で、長さ9m、重さ約4tと聞いた。

E 木遣りは「木を運ぶ」という意味で、神社建築の木材を運ぶ際に使う言葉だ。琉球王国時代から首里城の造営や修復に際して行われた祭事で、約130人が当時の衣装を身にまとい、守礼門までゆっくりと歩いた。衣装や音楽から琉球王国の栄華を感じることができてとても良かった。歩道は多くの見物客であふれていたよ。

F 起工式で玉城デニー沖縄県知事が「一日も早い首里城の復元を願う皆さんの思いの結実に向けた大きな一歩である」とあいさつしたように、現地の人たちは早期復元に期待していた。

A 沖縄の歴史と文化を象徴する首里城への思いが伝わってくる。建設業は全力で期待に応えないといけないね。

木遣り行列。首里城の「令和の復元」では防火・防災対策を強化する



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