【記者座談会】政府総合経済対策が決定/全建ブロック会議が終了 | 建設通信新聞Digital

5月14日 火曜日

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【記者座談会】政府総合経済対策が決定/全建ブロック会議が終了

第一の柱に物価高騰・賃上げへの取組み

A 政府による総合経済対策が決まった。最大の注目である規模はどうだった。

B 財政支出が39兆円程度で、民間支出などを含む事業規模は71.6兆円程度に上る。財政支出の国費は35.6兆円で、このうち29.6兆円を2022年度第2次補正予算案に計上する。8日に補正を閣議決定する見通しだ。

C 規模と内容の両方を強く求めた与党に配慮し、大規模な対策になったね。

A 内容に目を移そう。

B 物価高騰・賃上げへの取り組みが第一の柱だ。エネルギー・食料価格高騰対策がメインとなる。対策決定後の記者会見で岸田文雄首相は、物価高から生活や中小企業を守ることを最優先事項に挙げた。

C この柱の取り組みに、公共事業の資材価格高騰対策を盛り込んだ。価格転嫁が進むように促した上で、必要な事業量を確保することにより、社会資本の着実な整備や、建設企業の適正利潤の確保と建設労働者の賃上げにつなげる。

D 事業量が目減りするとして、国土交通省が概算要求で事項要求していたものだ。経済対策への位置付けにより、予算編成で認められる可能性が高まったと言えそうだ。

A 国土強靱化はどうか。

B 必要・十分な予算を確保し、ハード・ソフト一体の取り組みを強力に推進すると記した。これにより「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の3年目分が、過去2年と同様に補正で措置される可能性が高まった。

C 5か年対策後については明確に打ち出していないが、中期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に国土強靱化を進めることの重要性を勘案し、次期国土強靱化基本計画を検討するとした。23年夏の基本計画改定に向け、検討作業が今後本格化する。

D 与党側でもプロジェクトチーム立ち上げの動きがある。ポスト5か年対策を巡る政府・与党の動向に注目だ。

経済対策決定に当たっての首相会見。物価高から生活や中小企業を守ることを最優先事項に挙げた

強靱化のポスト5か年対策に関心

A ところで、全国建設業協会と47都道府県建設業協会が国交省などと意見交換する22年度の地域懇談会・ブロック会議が終了したようだね。

B 幸いにして、ことしも新型コロナウイルスの感染者が少なくなった時期に、無事全国9地区で開催された。こういった本音をぶつけ合う議論の場は、やはりリアルの空気感が結構大事で、各協会幹部も引き続き対面開催ができたことを喜んでいた。

A われわれ記者にとっては貴重な取材の場だね。会議後に懇親会も開かれたの。

B 懇親会自体は、それぞれの地方や開催県の事情などが異なるため、結果的には開催と中止が半々くらいだった。ただ、開催する場合も基本は着席スタイルのため、かつてのような立食形式にはまだ戻っていない。そうなれば、各県協会や国交省の方々とも、もっと深い話しができるので楽しみだ。ぜひ来年に期待したいというか、そうなるように祈っているよ。

D 肝心の中身はどうだったの。

 当然ながら、公共事業予算に関する要望が第一にくるが、ことしは特に強靱化のポスト5か年に対する関心が高かったと思う。経済対策も決定したが、建設資材の価格高騰への対応も、予算に匹敵する大きなテーマだった。

C この間の記事を見ていても感じたが、やっぱり単品スライド条項は大きな関心事だね。いつまでも右肩上がりということはないだろうが、高止まりするのか、急落するのかなど、今後も価格動向からは目が離せないね。

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