【記者座談会】施工DXチャレンジ初開催/海外渡航緩和、出張再開 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【記者座談会】施工DXチャレンジ初開催/海外渡航緩和、出張再開

A 先日、国土交通省による「施工DXチャレンジ2022」が初開催された。どんな取り組みだったのかな。

B 遠隔施工技術を中心に、産学官が開発した災害対応や生産性向上、将来の宇宙開発につながる革新技術を実演で紹介した。企業や大学など多くの参加者とともに各技術の効果やノウハウを共有し、技術開発を促すことが狙いだ。会場となった国土技術政策総合研究所、土木研究所の建設DXフィールド(茨城県つくば市)では、数多くの建機が無人で動いており、建設業の未来の一端を感じ取れたよ。

C 会場内の建機だけではなく、大阪府といった超遠隔地にある重機の遠隔操作技術を紹介した企業もあった。操縦席の周囲は多くの参加者で囲まれ、活発に質問が飛び交うなど関心の高さがうかがえた。遠隔操作をバーチャルで訓練するシミュレーターなども体験でき、とても興味深かったね。

A 遠隔施工以外の技術ではどんなものがあったのかな。

C 建設用3Dプリンターや現地を3次元でスキャンする技術などが実演された。3Dプリンターのブースでは小さな擁壁を実際に製造していた。既に公共工事の構造物の製造に適用した実績もあり、今後も適用事例は増加する見通しだという。

B 宇宙開発では、各企業や大学が取り組む研究開発をプレゼンテーションしていた。主には月面での拠点建設に向けた測量・施工や建材製造などだ。会場内には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関係者もいた。

C 今回のようにさまざまな技術を実演で紹介する取り組みは珍しい。多くの参加者にとって、技術革新がどれほど進んでいるかを知ることができるいい機会になったと思う。

会場の建設DXフィールドで各企業の遠隔操作技術を実演した

各国の先進事例に意識の違い実感

A 話は変わるけど、新型コロナウイルス感染症による海外渡航制限措置の緩和により、海外出張や旅行が再開されてきている。ベントレー・システムズが主催する「ザ・イヤー・イン・インフラストラクチャー・アンド・ゴーイング・デジタル・アワード」の取材のため、ロンドンに行ったようだね。

D まず街を歩いて驚いたのは、マスクを着用している人がほとんどいなかったことだ。消毒液を置いてある商業施設や飲食店などはいくつかあったが、検温することは一度もなく、日本との対応の差を実感した。ウクライナ危機の影響が及んでおり、飛行機のルートも制限されているため、ロンドンに着くまで通常よりも時間がかかった。

B 物価も高いようだね。

D 軽食店に入ったら、日本の2倍程度の値段だった。資機材価格の高騰を紙面で取り上げることも多いけど、物価の上昇に加えて為替の影響もあり、その厳しい状況には納得がいく。

A 取材はどうだったのかな。

D ベントレー・システムズのデジタルツールを使った先進事例を表彰した。全世界から集まったファイナリストたちのプレゼンテーションでは、審査員から鋭い質問が飛び交った。授賞式や交流会は盛大に開かれ、現代美鑑賞の時間が設けられたほか、太鼓を使ったパフォーマンスなどで花を添えた。各国のBIM/CIM、脱炭素への意識の違いを実感できた。日本以外の報道関係者とも交流し、つたない英語でも会話が盛り上がった。現地の文化に触れたことで、自国を見つめ直すきっかけにもなった。

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