【オラクル スマートコンストラクションプラットフォーム】新時代のコラボレーション構築 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【オラクル スマートコンストラクションプラットフォーム】新時代のコラボレーション構築

◆プロジェクト情報とBIMを一元管理/“真のCDE”実現へ

 オラクルは、グローバル市場で豊富な実績を持つプロジェクト管理ソリューションにBIMを組み合わせることで、より付加価値の高い建設情報プラットフォームを提供している。同社の建設プロジェクト文書管理アプリ、スケジュール管理アプリ、エコシステムで連携する各種データとBIMを共通データ環境(CDE)の『オラクルスマートコンストラクションプラットフォーム』に格納する。これを収集・分析することでBIMモデルを確認・管理するとともに、その他のプロジェクト情報との一元管理を実現している。

情報を収集・分析するプラットフォームのイメージ


 データベースやERP(統合基幹業務システム)の市場をけん引する同社は、『オラクルスマートコンストラクションプラットフォーム』につながる建設業界に特化したソリューションの提供にも力を入れてきた。建設プロジェクトの文書管理や承認管理、ワークフロー管理などを一元的に行う『Aconex』、グローバルで広く利用されるスケジュール管理アプリ『Primavera Cloud』と『Primavera P6』、コスト・ビジネスプロセス管理アプリ『Primavera Unifier』など多数のアプリを提供している。

 BIMに関しても2010年代前半にCDEの提供を開始し、強みのプロジェクト管理を生かしたソリューション開発を進めてきた。日本オラクル建設&エンジニアリングの栗原哲セールスディレクターは「BIMの技術開発はこれまでCADベンダーがけん引してきた。オラクルはプロジェクト管理のノウハウにBIMを加えることで、BIMのさらなる活用に向けた建設プラットフォームを提供できるようにした」と説明する。

プロジェクト管理の強みを生かしたBIM活用を行う


 『Aconex』は、発注者、設計者、施工者、サブコンなどさまざまな関係者が活用する全ての文書情報を一元管理するクラウドソリューションとして、約60カ国で数万件のプロジェクトに導入されている。各社の業務を文書や契約書に明文化した上でプロジェクトを進めるグローバル標準に対応したコレスポンデンス(通信文書)管理をすることができ、やりとりを完全に記録・保存・検索できるため、紛争が起きても円滑に対応できるのが特徴だ。

 プロジェクト専用の環境に対して、プロジェクトに参加する各社に固有のデータ領域を割り当て、組織間の中立性も担保した上でやりとりしたデータの改変を不可能にする完全な証跡管理を実現している。過去のやりとりも簡単に追跡できる。
 データは、日本国内に構築済みの同社のデータセンター上に保管する。高度なセキュリティーを有するクラウドインフラを含めてオラクルが提供しており、必要な情報を安全に共有するプラットフォームとして評価が高い。

 CDEを介したBIMデータのさらなる活用については、15年に英国標準規格にPAS1192が提唱され、18年にISO19650として国際標準化が進められてきた。その後、各国が具体的な仕様の策定に動いており、19年にドイツでの標準規格となるDIN SPEC 91391としてCDEの国内向け仕様が定められた。

 DIN SPEC 91391では、CDEユースケースに沿った約200項目の詳細なCDE機能が示されている。『Aconex』は、21年にISO19650とDIN SPEC91391に適合するBIMソリューションとしてのBSIカイトマーク認証を取得している。
 オープンプラットフォームも強みだ。『Aconex』や『Primavera』だけでなく、他社アプリとも連携することで、4D、5D-BIM、3次元レーザースキャナーなどと連携した出来形管理、さらには遠隔施工管理などを実現する。CDEに蓄積された膨大なデータを活用し、AI(人工知能)を使って工期やコストのシミュレーション、分析、将来予測などを可能にする機能を実装する。

 製造業で3Dモデルが普及したのは、標準化やプラットフォームの導入で活用が進んだことが背景にある。栗原セールスディレクターは「建設業界が遅れているのはまだまだデータの標準化が進んでおらず、うまく活用できていないからだ。CDEによって状況は変わる」と指摘する。「図面やBIMモデルが工程やコストなどのプロジェクト管理情報と連携することで建設生産性が向上する。工程などの変更情報が関連するツールやデータと連動するには異なるアプリと連携するオープンプラットフォームが不可欠となる。それが真のCDEの目指すところであり、オラクルにはそれができる」と強調する。

 DIN SPECのように自国の特性に合った仕様ができれば、CDEに必要な機能が明確になりベンダー間の開発競争も加速する。「CDE標準化の取り組みは、その重要性を建設業界が理解し、さらなる議論の活性化につながる大事なものだ。マーケットの拡大がそのまま生産性向上につながる」と力を込める。





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