【動画ニュース・自律走行型草刈り機で見学会】複数台を一元管理/金杉建設ら | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【動画ニュース・自律走行型草刈り機で見学会】複数台を一元管理/金杉建設ら

 

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 金杉建設(埼玉県春日部市、吉川祐介社長)、アクティブ・ソリューション(横浜市、島村明社長)、創和(千葉県船橋市、西尾貴至社長)の3社によるコンソーシアムは15日、埼玉県吉川市内の河川堤防で、改良した「大型自律走行型草刈り機」の試行見学会を開いた=写真。今回はシステム機能の高度化により、一人の現場管理者が複数台を一元管理できるようにし、堤防除草の大幅な省力化と作業効率を向上させた。 見学会には、関東地方整備局企画部や江戸川河川事務所、荒川下流河川事務所、大手・中小ゼネコン、芝刈り機を含む建機メーカーなどの関係者ら計約80人が参加した。

 大型自律走行型草刈り機は、2020年度の開発機、21年度の実用機に続き、22年度も国土交通省の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択された。開発機は「設定ルートの走行」「障害物を検知して自動停止」、実用機は「除草面積や走行経路の自動算出」「夜間作業への対応」「障害物を検知して自動で回避・経路復帰」を検証した。

 改良を続ける理由について、吉川社長は「日本全国どこの河川でも堤防除草が行われている。作業員は真夏の炎天下でも除草作業に従事しており、負担軽減が見込まれる」と説明する。

 今回は、搭乗式のハスクバーナ・ゼノア(埼玉県川越市)の「ハンモナイフモアZHM1550RR」、英マッコネルの大型ラジコン式高性能草刈機「ROBOCUT」を改造し、複数台の一元管理をできるようにした。搭乗式は本体を改造したが、ラジコン式は本体を改造せずに機器収納ボックスとセンサー類を取り付けた。条件が整えば、どの機械でも後付けで対応できるのが特徴だ。

 現場管理人は一人でタブレットを使い、ルート設定や作業確認、緊急停止などの作業が可能となる。作業中に完了予定時間や残り作業時間、速度も表示できるようになった。

 遠隔で車両位置やカメラ画像を監視する際のネットワーク上のデータ量が増大し、リアルタイム性に支障が出ていることから、通信手法の見直しや、クラウドサーバーのほか、ローカル5G(第5世代移動通信システム)を含む5Gの利用も視野に入れて検討する。

 金杉建設の藤沼修工事部次長は「初めて扱う人でも簡単に操作できるように修正して、最終的には商品化したい。開発機、実用機、複数台の一元管理と、3年間で思い描いた改良ができた」と話した。

 

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