【柏駅東口未来検討委員会がまちづくりの方向性】連鎖的建替で広場空間を | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【柏駅東口未来検討委員会がまちづくりの方向性】連鎖的建替で広場空間を

◆短期に地権者合意形成

 学識経験者や商店街関係者、地権者、鉄道事業者、市で構成する、千葉県柏市の柏駅東口未来検討委員会(委員長・出口敦東大教授)は27日、最終回となる第3回会合を市役所で開いた。まちづくりの方向性として「人を惹きつける魅力」「広がりある高い回遊性」「みどり豊かなゆとりある空間」「地域の協調による全体最適」の四つを設定した。全体最適に向けては建物やデッキの単独更新の困難さを踏まえ、連鎖的に建て替えて更新を進める考えで一致した。市は委員会の意見を(仮称)未来ビジョンとして4月にまとめる予定だ。

未来の在り方イメージ


 人を惹きつける魅力の方向性では、商業や娯楽・文化・交流機能などとともに、駅前に圧倒的に欠けている子育て機能を充実する。
 広がりある高い回遊性の方向性では、新たに回遊を生み出す改札や、駅から商店街までつながる空間などを整備する。
 みどり豊かなゆとりある空間の方向性では、豊かな緑の中で多くの人々が交流するにぎわいある広場空間と、将来の交通需要を踏まえた使いやすく快適な交通空間を確保する。

 短期(2年程度)の取り組みとして、市は連鎖的建て替えのきっかけとなる敷地の早期確保に向けた各種施策の検討や地権者との調整、スマートシティなど未来への期待と可能性を追求する先進的な取り組みを検討する。地権者は、連鎖的建て替えに向けた合意形成と資金調達に取り組む。

 事務局の市は、委員会の議論の参考資料として、旧そごう柏店やスカイプラザ柏、柏駅前第一ビルなどを計画的に更新した場合の四つのケーススタディーを例示した。3棟をそれぞれの敷地で再建築した場合のケース1案と、各敷地に2棟を集約して連鎖建て替えすることにより交通空間拡張と広場空間確保を実現するケース3案で構成する。

 既存3棟総延べ約10万㎡の解体費に約55億円、現在と同じ10万㎡で建てた場合の建築費として約500億円、10万㎡の修繕費は年間約11億円と試算している。ただ、委員会は1案に絞り込んでいない。
 コンサルタント業務はランドブレインが担当している。





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