【動画ニュース・「KAJIMA HALL:15号講義室」開設】建築の生きた教材、歴史を継承/東大・鹿島 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

公式ブログ

【動画ニュース・「KAJIMA HALL:15号講義室」開設】建築の生きた教材、歴史を継承/東大・鹿島

 

◆動画ニュース配信中
ご視聴はこちらから






 東大大学院工学研究科(染谷隆夫研究科長)は、鹿島による設計施工の寄付などを受け、工学部1号館の15号講義室とホワイエを改修し、新しく「KAJIMA HALL:15号講義室」を開設した。90年近い講義室の歴史的空間を継承しつつ、ライン照明や音響設備、センサー機器など先端技術を導入。これからの時代の建築の“生きた教材”として生まれ変わった。

KAJIMA HALL:15号講義室


 3月31日に完成した講義室で会見した染谷研究科長は「歴史、文化的な空間資源を最大限に生かして、最先端の研究教育に必須な環境を整えることで生まれた、この講義室での教育体験は、学生だけでなく、教職員にとっても大学で学ぶことの喜びにつながる」と述べた。

会見する(左から)千葉教授、染谷研究科長、松嶋鹿島専務


 鹿島の松嶋潤専務執行役員は「日本の建築教育の中心である場所に当社の名前を冠したホールをつくらせていただくということに会社を挙げて取り組んだ。これからここで講義を受ける学生が日本の建設業界の大きな力になってくれることを祈念する」とあいさつした。

 既存の工学部1号館15号講義室は内田祥三元総長の設計で1935年に竣工した。95年に東大施設部と香山壽夫建築研究所(現・香山建築研究所)の設計・監理によってホワイエ部分の増床と講義室内を改修し、使用されてきた。

 改修では創建当時の格(ごう)天井を配置基準としたグリッド天井に、ライン照明や音響設備、センサー機器などを設置。センシングデータを使用して空調などを自動制御するほか、将来的にはセンサー機器を増設し、各研究室と連携した実証実験の場として活用する。前面には200インチスクリーンを二つ配置し、グリッド天井に設置した指向性マイクやカメラと連携して、対面とオンラインの参加者がスムーズにつながるハイブリッド講義が可能となっている。

 基本設計や監修を手掛けた千葉学東大大学院工学系研究科教授・CMRCセンター長は「東大でも貴重な円形の階段教室という空間資源の価値を損なうことなく、新しい技術を導入することが設計のポイントとなった」と説明。「従来のように新築をただつくればうまくいくという時代ではない中で、今回の改修で下された評価によって残った空間を伝えていくことが何よりも重要になる」と改修の意義を協調した。

 基本設計は東大大学院工学系研究科建築学専攻(総括・千葉教授)、基本設計協力と実施設計・施工は鹿島が担当した。工期は2022年7月から23年3月まで。

 
 
その他の動画ニュースはこちら