【記者座談会】建設産業各社が入社式/電設協、日空衛が上限規制で連携 | 建設通信新聞Digital

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【記者座談会】建設産業各社が入社式/電設協、日空衛が上限規制で連携

【失敗を恐れず、果敢なチャレンジ望む】

A 3日に建設産業各社で入社式が開かれたね。将来を担う新入社員の新しい門出を祝うように、天気にも恵まれた。

B 新型コロナウイルスの感染も落ち着きつつあることから、3年ぶり、または4年ぶりの対面形式による開催となった。対面形式は、社長をはじめとする経営陣や同期と直接顔を合わせて話を聞くことができる。気持ちが引き締まるし、やる気も一層起こるんじゃないかな。何よりも、多くの仲間がいることが実感できるのが大きい。心強く感じたのではないかな。

A 入社式の社長訓示はどんな内容だったの。

C 情熱を持ち、失敗を恐れず、果敢にチャレンジすることを望む言葉が目立ったね。また、プロフェッショナルであることを自覚するとともに、自分を律し自己研さんを怠ることなく、責任ある行動を求めていた。社の歴史や社是などに触れて、それらを引き継いでいくことや、柔軟でフレッシュな発想に期待する訓示もあった。

D 記憶に新しいけど、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での侍ジャパンの優勝に触れ、社内外でのコミュニケーションやチームワークの重要性を説く言葉もあった。

C 建設産業は社会を支え、安全・安心の確保などに大きな役割を担っており、社会に貢献していることを伝え、「自信」や「誇り」を持つことも求めていた。

A 活躍する場は国内外と広く、将来は宇宙にまで広がるかもしれない。これまでの学生生活はコロナ禍で苦労も多かったと思うけど、まずは研修でしっかりと学び、自分を磨いて大きく羽ばたいて活躍してほしいね。

この春も数多くの新入社員が建設産業の一員となった。写真は3日に開かれた日本工営グループの入社式。3年ぶりに新入社員が一堂に会した。7月にはID&Eグループに移行するため、日本工営グループとして最後の入社式となる

危機はチャンス、適正工期の実現を

A 話は変わるけど、4月に入り2023年度がスタートした。時間外労働の罰則付き上限規制が、建設業に適用されるまで1年を切ったね。

B 建設業の場合、請負という商慣行や工期の順守などを背景に、適用まで5年の猶予が与えられた。この間、ICTの活用による生産性向上、現場作業に集中してもらうためのバックオフィスによる業務支援など、さまざまな手を打って残業時間の削減や休日確保に取り組んできた。しかし、各社とも対応に苦慮しているようだね。

C 最も強い危機感を抱いているのは設備工事業といっても過言ではないね。その象徴として、日本電設工業協会と日本空調衛生工事業協会は共同で、関係団体に出向いて状況打開に向けた要請活動に踏み切ることを表明した。

D 両団体が共同で要請するのは、知る限り初めてのことで驚いた。業種は違っても、設備工事は後工程になるため、抱える問題は同じだ。資材価格の高騰に加え、前工程のトラブルで工期にしわ寄せがきても、当初契約の金額や工期を見直してもらいにくい現状にあるという。こうした状況を打開することは、今後も社会的使命を全うしていく上で欠かせない。設備工事業の自助努力だけでは乗り越えられない壁があるため、一緒に要請し発信していくことが状況を打開する上で重要になる。業界が行動すれば、個社でも改善を求めやすくなる。

A ピンチはチャンスともいう。これを契機に発注者との対等取引や適正工期の実現、建設業の魅力向上につなげることを期待したい。

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