2025年大阪・関西万博のうち、河瀬直美テーマ事業プロデューサーが手掛けるパビリオン「いのちのあかし」事業が始動した。施工を担当する村本建設は2日、奈良県十津川村の旧折立中学校で工事安全祈願祭を開いた。廃校となった中学校を万博パビリオンとして移築する事業の安全を願い、河瀬プロデューサーや同社大阪支店の先山正登執行役員支店長、設計を担当した周防貴之SUO代表、小山手修造同村長ら40人が参加した。
祝詞奏上や清祓(きよはらい)、玉串拝礼などの神事の後、河瀬プロデューサーは「校舎からは言葉はなくとも当時、建築に携わった人たちの思いが伝わる。校舎として新たな命が芽吹き、大木となることを願ったはずだ。万博のパビリオンとして新しい命が生まれる。万博以降もどこかで生かしたい」と語った。
事業では折立中学校校舎2棟と京都府福知山市立細見小学校中出分校をパビリオンに活用する。校舎を解体後、万博会場となる大阪市此花区の夢洲で再度建設する。折立中学校は3日から解体に着手しており、細見小学校は10月中旬から解体、万博会場では10月中旬から準備工事、12月から基礎工事を始める。24年3月から校舎の建設が始まり、万博開幕までに完成させる。
工事を担当する同社の荒井北斗建築部現場主任は「地元の皆さんの思いがこもっている。建物の思いをそのまま再現したい」と意気込んだ。同部の大田哲也氏は「安全第一がわれわれの責務だ。河瀬プロデューサーの意図をくみ取り工事を進める」と述べ、石原龍馬氏は「このような工事に携わることができ光栄だ。村の思い一つひとつを万博に届けたい」と語った。
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