【瀬尾製作所と日建設計】ファサードを共同開発/環境性能を確保、向上 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【瀬尾製作所と日建設計】ファサードを共同開発/環境性能を確保、向上

ファサードとビルの外観(提供:日建設計)


 瀬尾製作所(富山県高岡市、瀬尾良輔代表取締役)と日建設計は、建築物の環境性能を高めるファサード「Envi-lope01」を共同で開発した。主に大都市圏の中小規模のビルへの設置を想定している。製造時のCO2を削減するだけでなく、環境性能の確保、向上を目的としたファサードとなる。

 Envi-lope01は銅板製のパーツを、すだれ状に編んだ外皮として設置する。「絞り」という加工方法で製作した鍋型の円筒部材の底面をカットし、適所に配置することで日照制御や風通し、透明性を操作できる。建物自体の温度の上昇を防いで環境性能を高められ、建物への日照負荷は65%低減する。

 周辺の建物形状から太陽の動きとともに建物に当たる日差しの変化を解析して2種類の銅板製パーツを組み合わせることで、約20%の日射を再帰反射させている。深さのある円筒で構成されているため、角度のついた斜めからの視線を遮って、正面方向の視線の抜けと風通しを確保する。方角によって受ける直射日光も遮蔽(しゃへい)用の円筒を選ぶことで遮れ、開口率は70%となる。

 円筒は2本のワイヤで連続してつなぎ合わせて列としており、それを1列ずつ建築物に取り付けて面を構成させ、ファサードとしている。ワイヤの特性により、3次元の面を自由につくれる特長を持つ。また、ファサードとして利用されるアルミルーバーと比べて鋼材量を減らすことで、製造時のCO2を大幅に削減するメリットもある。

 鎖樋(くさりとい)といった金属製品の製造と販売を担う瀬尾製作所は、建築物に製品をつなぐ技術を持っている。ファサードに対する市場のニーズに対応し、意匠や機能、環境性能が高い製品の開発に取り組んでいる。

 

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