【国内最大のアーチカルバート】函渠設置工事を現場公開/松尾建設 | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【国内最大のアーチカルバート】函渠設置工事を現場公開/松尾建設


 松尾建設は20日、佐賀県伊万里市内で施工する「佐賀497号脇田地区函渠設置工事」現場を公開した。内空断面積126㎡と、国内最大規模のプレキャストアーチカルバートボックスの設置工事となり、現場では大型のクローラクレーンが重さ46tのアーチ部材をmm単位の精度で脚部材に据え付けしていた=写真。

 九州地方整備局佐賀国道事務所の発注で、西九州自動車道の一部となる伊万里道路(長さ6.6㎞)と下で交差する県道黒川松島線のカルバート工となる。

 アーチカルバートは、上部がアーチ形、下部がボックス形をしている。アーチ効果により、上部への荷重がボックスカルバートに比べて大幅に軽減され、大きな土被りに有効だ。部材厚の薄肉化も可能で、製品重量を軽くし運搬しやすくする。ヤマックスが製品開発した。

 2022年9月に着工し、準備工や掘削・基礎などを経て6月27日に据え付けを開始した。ボックスは長さ48m、幅15m、高さ10m。カルバート製品は1函当たり目地を含めて長さ1mとなり、全48函を設置する。1函の据え付けに3時間程度を要し、1日2函ペースで据え付ける。盆休み前に据え付けを終え、防水工や底版などの工程に入り、12月までに工事を終える予定だ。

 据え付けの手順は、工場で製作したカルバートを5分割して現場ヤードに輸送。アーチ部の3部材を組み立てて起こし、設置箇所の両側に据え付けた脚部材に、350t吊りクローラクレーンで据え付ける。この日は24函目の据え付けをしていた。

 施工では、現場代理人の今泉郁也氏が「縦断勾配が3%あり、脚部材に比べアーチ部材が重く高いため、アーチ部材の転倒が懸念された」ことから、脚部材前面への転倒防止鋼材の設置や、アーチ部材の頂版下面への支保工の設置などの対策を講じ「引き続き手順を守って施工を進める」とした。

 

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