【ZEB Readyを取得 10万㎡超商業施設で全国初】清水建設 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【ZEB Readyを取得 10万㎡超商業施設で全国初】清水建設

 清水建設が設計施工を担当し、4月に開業した大規模商業施設「イオンモール豊川」(愛知県豊川市)が東京建築検査機構から建築物省エネルギー性能表示制度に基づき「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Ready」の認証を取得した。10万㎡を超える商業施設での同認証の取得は全国初となる。施設全体で54%の省エネルギーを達成し、年間のCO2排出量を約4900t削減する見込み。

イオンモール豊川


 大型商業施設では、運用段階における招客、商品プロモーションを優先した施設運用により、膨大なエネルギー消費を伴うためZEBの認証取得は難しいとされていた。

 例えば、高めの照明照度設定は単にエネルギーを消費するだけでなく、空調負荷にも影響し、エネルギー消費の負の循環を招く。

 そこで、イオンモール豊川の設計では、事業者と協議して「脱炭素」への寄与を設計テーマの一つに掲げ、ZEB Readyの認証取得を目指した。
 イオンモール豊川の建築は、屋上を外断熱仕様とし、全ての外部ガラスにLow-eガラスを採用することで高い断熱性能を確保。モールの照明はハイサイドライトから外光を採り入れ照明照度を抑制した。

 空調は商業施設としては珍しく自然換気を積極活用した。加えて、AI(人工知能)カメラにより人の動きを分析し、換気・空調制御に反映した。また、熱源にはコージェネレーション設備、高効率熱源機、地中熱チラー、モール内の食品ゴミによるバイオガス発電、太陽光発電などを採用した。

 イオンモール豊川の発注者はイオンモールと三菱UFJ信託銀行となる。規模はS造3階建て延べ11万3000㎡で中京圏最大級の商業施設となる。清水建設の設計施工で2021年12月に着工し、今年4月4日に開業した。同社は大規模商業施設の事業者にも徹底した省エネルギー設計を提案することで案件受注に結び付けるとともに、脱炭素の取り組みを加速する。

 

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