【空調業界初】全員が実務訓練! 高砂熱学工業が富士教育センターで新入社員研修  | 建設通信新聞Digital

4月21日 日曜日

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【空調業界初】全員が実務訓練! 高砂熱学工業が富士教育センターで新入社員研修 

協力して配管を組み立てる新入社員

 高砂熱学工業は2017年度から、新入社員研修を刷新した。全国建設産業教育訓練協会が運営する富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を活用し、同社初の試みとなる実務訓練を取り入れた。実際の施工現場で行われる配管作業などを自ら体験することで、施工管理者としての安全・品質に対する知識を深めるのが狙いだ。大手の空調設備会社が同センターで研修を行うのも初めて。
 事務職を含め、17年度の新入社員96人全員が参加する。7月11-21日と8月1-11日の2回に分け、2週間に及ぶカリキュラムをこなす。
 これまでの新入社員研修は、首都圏での現場研修後に本社で技術研修を実施し、各店に配属するというプロセスを経ていたが、近年の新入社員の増加に伴い、現場研修内容にばらつきが生じるといった課題があった。そこで、現場施工に対する理解促進と研修内容の均一化を目的に、配属店での現場研修後に合同技術実習を行うことにした。
 同社社員のミッションは「施工」でなく「施工管理」だが、現場で的確な判断を下すには、施工対象のディテールや作業方法を正しく理解しておく必要がある。そのためには「自分の手で実際に施工してみる」ことが最も有効な手段になると考え、今回新たに実務訓練を組み込んだ。
 高砂熱学工業は、富士教育訓練センターの協力を得ながら、配管溶接や冷媒用銅管のロウ付け、配管ねじ込みといった配管施工の育成カリキュラムを作成。現在第一陣の48人が実習に当たっている。新入社員は前半に、足場組み立てや構造鉄筋研修、重機危険作業、玉掛け危険作業などの建築工事実習も受講済みだ。
 新入社員は、1月に建て替えが完了した新宿泊棟で2週間寝食を共にする。共同生活を通じて、高砂社員としての規律や連帯感、責任感を高めるのも狙い。研修には人事部などの担当者も付き添い、新入社員をフォローしている。
 一方、富士教育訓練センターとしても、空調設備業界の大規模研修を担うという初の試みとなった。設備に詳しい講師らによるプロジェクトチームを立ち上げ、会社側と何度もやり取りを重ねながら、半年以上をかけて実習プランを練り上げてきた。センターの小松原学校長は「大変ありがたく、業界トップの高砂熱学工業と仕事をできることは、われわれにとっても誇りになる。1年目はどうしても手探りの部分があるが、教育には長い目が必要。2年目、3年目とカリキュラムを進化させ、期待に応えていきたい」と話している。

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