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5月17日 金曜日

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【動画ニュース】輸入建機で吹き込む“新風”/小田切敏郎ケーティーマシナリー社長

 

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独TEUPEN(トイペン)社のスパイダーブームリフト。自動扉1枚分程度のスペースからの出入り、工事用エレベーターへ載せることやピボットターンが可能


 ケーティーマシナリー(東京都台東区、小田切敏郎社長)は、欧米やアジアなどで普及しているが日本ではあまり知られていない建設機械を見いだし、欧州メーカーの高所作業車を中心にレンタル、販売している。小田切社長は「欧米の自由な発想でつくられた機械はユニークでインパクトが強い。国内の市場は当初手探りだったが、今ではさまざまな作業所で受け入れられている。省人化・省力化に寄与する機械と確信している」とし、建機を通して日本の現場に新しい風を吹き込む。

小田切社長

 契機はベトナムにあった。家業である建機のレンタル、販売を手掛けてきた相互(大阪市)において新事業を検討中だった2011年、同国の現場で稼働する欧州の建機を見て強い印象を受けた。輸入に向けて事業化の準備をはじめ、ケーティーマシナリーを14年に設立した。

 「揚重のとき、日本の現場ではクレーンで吊るが、欧州ではフォークによる持ち上げが好まれる」などの違いがあり、建機メーカーの開発思想も異なる。「海外では新しいものを取り入れて施工してみる考え方が常にあり、新しい目線で機械をとらえられたこと」を契機に導入を進めてきた。現在は「テレハンドラー」「傾斜地用リフト」「スパイダーブームリフト」の3機種の引き合いが特に多い。

仏MANITOU(マニトウ)社のテレハンドラー「MRT2540」。公道を自走でき、アタッチメント交換の所要時間は3分程度


 
 
■アタッチメント開発既存機と差別化
 テレハンドラーは「ラフタークレーンの先をフォークや高所作業用バケット、クレーン、トラクターショベルなどさまざまなアタッチメントに付け替えできる」ような建機だ。

 同機は空頭制限下での施工のとき、フォークで挿入する作業が可能である。これを活用し、大成建設と共同で「テレハンドラー使用による水平力分担構造取付」の特許工法を取得。落橋防止のため橋桁と橋脚のあいだに鋼製ブラケットを差し込む作業により、大幅な工期短縮と安全性確保を実現した。ケーティーマシナリーは同工法に使用する特殊アタッチメントを開発した。

伊ALMACRAWLER(アルマクローラー)社の傾斜地用屈伸シザースリフト「ビビ1090デュアル」


 
 
■高所作業車の最終進化形
 傾斜地用リフトは、左右のクローラーが独立して動く。段差のある現場でも、クローラーの自動レベリング機能で、シャシーと作業床を常に水平に保てる。

 現在の主な活躍シーンは、物流センターのランプウエーの新築工事や山間部の太陽光パネル工事、地下駐車場のランプでの使用が多い。

 さらに高所作業車の“最終進化形”として提案するスパイダーブームリフトは、クモのような多脚を備える。幅1×高さ2mの狭い通路でも走行可能。段差のある現場でも垂直に荷重がかかれば、自動でレベルを取り作業できる。

 商業施設、アリーナ、空港など、出入り口が狭い、天井が高い、床の耐荷重制限が厳しいなどの条件がある工事で活躍する。ほかに橋梁や鉄道施設の補修、造園でも需要がある。
 
 
■リピート率に自信
 こうした利点を持つ欧州の建機だが、日本への導入は容易ではない。欧州の建機メーカーは国内メーカーほどきめ細かい対応をしないため、同社が代わって対応することも多い。これらを乗り越えてきたことが同社の独自性も生んでいる。

 一方で「採用を受ければ、リピート率が高い」と自信を見せる。働き方改革を追い風とし、市場の着実な拡大を目指す。

テレハンドラー使用による水平力分担構造取付」工法にて鋼製ブラケット設置作業中のテレハンドラー(先端部)

脚を畳んだスパイダーブームリフト















 

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