【新名神高速の工事に適用】鹿島の全自動トンネル覆工コンクリ打設システム | 建設通信新聞Digital

5月20日 月曜日

公式ブログ

【新名神高速の工事に適用】鹿島の全自動トンネル覆工コンクリ打設システム

◇高流動コンで人員60%減/表層品質の均質化も実現

 鹿島は、高流動コンクリートを使用した「全自動トンネル覆工コンクリート打設システム」をNEXCO西日本発注のトンネル工事に適用した。同システムによる実工事での高流動コンクリート打設は初めて。高流動コンクリートは締め固めが不要となることから、全自動システムのメリットを最大限生かせる。適用現場では打設時の人員の約60%低減やコンクリート表層品質の均質化を実現した。

システムによる打設状況

 NEXCO西日本発注の「新名神高速道路宇治田原トンネル西工事」(京都府宇治田原町)の一部区間(84m)の覆工コンクリート打設で効果を検証した。締め固めが不要な高流動コンクリートを使用することで、狭あいな作業環境下での人力作業をゼロとし、打設時の人員を7人から3人に低減した。コンクリートの充填性についても良好であることを確認した。

 硬化後のコンクリートの表面は顕著な気泡などがない美しい仕上がりで、コンクリート表層の品質評価指標となる透気試験では、同条件・環境下で施工した中流動覆工コンクリートの区間に比べ、透気係数が「良」の結果にまとまり、ばらつきが小さく、均質になった。

 片側3車線の大断面トンネルである今回の工事では硬化後のひび割れによる剥落防止を目的に、繊維補強型の覆工コンクリートを使用しており、繊維と鉄筋の干渉による充填性の低下などを考慮し、高い流動性を確保した。繊維補強型の覆工用高流動コンクリートでも締め固めが不要となっており、全自動打設のメリットを最大限に生かした。

 鹿島は今後、他のトンネル工事でも高流動コンクリートを使用した同システムの導入を推進し、さらなる合理化施工を検証する。将来的には型枠の設置からコンクリート打設、養生に至るまでの全ての作業工程を自動的に行う統合システムの構築を目指して、研究開発を進めるとしている。

 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら