【北九州の洋上風力建設で稼働】五洋建設と鹿島、寄神建設のSEP船、11月から | 建設通信新聞Digital

5月18日 土曜日

公式ブログ

【北九州の洋上風力建設で稼働】五洋建設と鹿島、寄神建設のSEP船、11月から

完成した「CP-16001」

 五洋建設と鹿島、寄神建設が共同で建造を進めてきた1600t吊りクレーンを搭載したSEP(自己昇降式作業台)型多目的起重機船「CP-16001」が完成した。3社による共同出資会社「PKYマリン」が保有・運航する。11月から北九州響灘洋上ウインドファーム建設工事で稼働を開始し、9.6メガワットの風車25基の基礎工事の一部と風車据え付け工事を行う。2027年以降本格化すると予想される一般海域の洋上風力発電プロジェクトでの活躍も見込む。

 20年1月30日に建造契約を結び、同年10月30日に起工、21年12月に進水した。引き渡し式は建造を担当したPaxOcean Holdings社(シンガポール)のGraha造船所(インドネシア)で9月8日に開いた。新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化する中での建造となったが、関係者の尽力により、風車の大型化に対応する最新鋭のSEP船として完成した。

 全長は123m、全幅は45m、最大搭載人員は100人で、洋上風車とその基礎構造の大型化に対応した1600t吊り全旋回式クレーンを搭載する。主クレーンのブーム長を130m、デッキ上からのフック高さを143m確保することより、15メガワットクラスの風車を洋上で効率的に建設できる。居室はシャワートイレ付きで木製の家具とするなど船上で働く人の環境にも配慮している。

 基本設計とジャッキアップシステムは世界のSEP船の7割以上を手掛けるGustoMSC社(オランダ)、主クレーンはオフショアクレーンのトップメーカーであるHuisman社(同)が担当した。

 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら