【大林組、トップライズ】動く障害物回避しドローン自律飛行/トンネル坑内で掘削不足箇所を指示 | 建設通信新聞Digital

5月20日 月曜日

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【大林組、トップライズ】動く障害物回避しドローン自律飛行/トンネル坑内で掘削不足箇所を指示

実証試験でのドローンのルート作成状況

 大林組とトップライズ(新潟市、大滝充司社長)は、トンネル坑内の非GNSS(衛星測位システム)環境下で、人や重機といった動的障害物を回避しながら自律飛行するドローンを共同開発した。作業中の人や重機を回避しながら掘削形状を計測し、計測結果と設計値を比較して掘削不足箇所を重機オペレーターに指示する。実際のトンネル坑内で実証し、切羽直前まで近づいて迅速かつ十分な精度で計測できることを確認した。

 カーネギーメロン大学機械工学科の嶋田憲司教授が主宰する計算工学・ロボティクス研究室の協力を得て開発した。大林組とトップライズは2023年度中に同大からプログラミングや操作の技術移転を受ける予定で、今後、さまざまな状況下での実証実験を重ねて実用化を目指す。

 ドローンには撮影した対象物の距離と色を認識するセンサー付カメラを搭載しており、検知した物体を独自のアルゴリズムで、動的障害物かどうか判別する。カメラから取得した情報をドローンに搭載したコンピューター上で処理し、リアルタイムにトンネル坑内の3次元地図を生成することで非GNSS環境下での自律飛行を可能としている。

 掘削形状は撮影したカメラ画像をSfM(Structure from Motion)解析して計測。計測結果を基に設計値と実際の掘削形状を比較し、可視化することで重機オペレーターに掘削不足箇所を指示する。掘削不足箇所の確認・指示のための切羽付近への作業員の立ち入りが不要となるため、安全性・生産性・施工精度を向上できる。

 今回開発した動的障害物を回避しながら自動的に飛行ルートを生成する機能は、トンネルの掘削形状を計測する目的以外でも活用が見込めることから、他工種や建設業以外での活用も視野に開発を進める。

 

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