兵庫県芦屋市は、8月に中止していた「JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業」の特定建築者募集について、2024年度初めに再公告したい考えだ。同年度中ごろに特定する見込み。その後、実施設計を経て、24年度末から道路や交通広場、25年度中ごろから公共駐輪場やペデストリアンデッキ、25年度末から再開発ビルの建設工事をそれぞれ開始し、建築工事は28年度末、公共施設工事は29年度中ごろの完了を目指す。 再募集に当たって、当初計画していた交通広場内の東西道路を廃止し、ロータリーの形状や配置を一部修正した上で、余剰地を広場空間として確保する方針。警察やバス事業者との事前協議はおおむね終了しており、現在は交通シミュレーションを実施している。周辺の既存道路に著しい影響を及ぼさないことを確認してから再び警察やバス事業者と協議する予定だ。
また、資金計画や総事業費の見直しを行い、再開発ビルと公共施設の工事費については建築資材価格や人件費などの推移を踏まえて着工予定時期における概算工事費を算定するほか、特定建築者の決定後に適切なタイミングで第三者による工事費の再積算を実施し適切な工事費を算定するなどの対策を講じる。
事業では、商業施設や住宅、公益施設、駐車場などで構成する再開発ビルを建設する。規模はRC造地下2階地上11階建て延べ1万6080㎡。再開発の対象地(業平町、上宮川町)の面積は約1.1ha。住戸の総面積は5520㎡で、戸数は51戸。22年11月時点の概算総事業費は約175億5000万円。
事業協力者として、東急不動産・竹中工務店JVが参画していた。コーディネート業務は都市設計連合が担当。
同事業の特定建築者は、4月から公募を開始していたが、事業計画を見直すため5月に中止。募集要項を一部見直して7月から再募集していたが、唯一応募していた東急不動産が辞退したために中止となった。
その後実施した民間事業者へのヒアリングでは、「大阪・関西万博とのスケジュールが重複するため対応が難しい」「人手不足で、応募に至るまでの検討準備に時間を要する。今すぐ再公告されても対応できない」「公共施設の見直しがあるなら公募前に決めてほしい」などの意見が集まったため、当初の事業スケジュールを1年遅らせることになった。