【荒川区新庁舎 最有力に荒川公園】 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

公式ブログ

【荒川区新庁舎 最有力に荒川公園】

◆34年度供用目指す

 東京都荒川区は、庁舎建て替えに向け、2023年度に基本方針、25年度中に基本構想、27年度中に基本計画の策定を予定している。27年度から30年度までの基本・実施設計を経て、31年度の着工、34年度の供用開始を目指す。新庁舎の最有力建設候補地として、現庁舎に隣接する荒川公園(荒川2-2-3)を選定した。新庁舎の規模は、現状と同等とした場合、延べ2万7000㎡程度と想定している。本庁舎のほか、北庁舎やエコセンターなど周辺施設の集約化を検討しながら、コンパクト化を目指す方針だ。現状と同等規模とする場合の建設工事費は約200億円と試算した。

現在の本庁舎


 現在の本庁舎は竣工から55年を経過し、老朽化や設備の不具合、執務スペース・待合スペースの狭あい化、非常時の電源確保、バリアフリーへの対応、環境負荷などが課題となっている。区は19年度に本庁舎建て替え検討委員会を立ち上げ、建て替えに向けた検討を進めてきた。

 現在の本庁舎(荒川2-2-3)の規模はSRC造地下1階地上7階建て延べ1万6770㎡。設計は建築モード研究所、施工は大成建設が担当した。09年度から11年度にかけて耐震化工事を実施した。北庁舎は延べ2617㎡、エコセンターや周辺の事務スペースは総延べ7563㎡となっている。

 建て替え場所の最有力候補地となる荒川公園の面積は約1.5ha。現在の本庁舎の正面玄関前に位置する。面積や官公署との距離、実現可能性などを勘案し、荒川公園を最有力候補地に選定した。新庁舎の規模、建設工事費などについては今後詳細を検討する方針だ。

 財源については、建設費の2分の1相当を公共施設等整備基金に積み立てる。23年度から30年度にかけて約100億円を確保する見込みだ。4分の1相当分となる50億円分は起債を発行するほか、残りの4分の1相当分は民間活力導入などさまざまな事業手法の可能性を追求することで、財政負担軽減につなげる方針としている。

 現庁舎を最大の更新周期となる80年間使用する場合、今から建て替えを進めるよりも約53億円多くかかる見込みとなったため、早期建て替えに向け検討を進める方針を決めた。

 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら