【能登半島地震リポート】沿岸部の道路啓開1週間で進捗6割/復旧に地域建設業者の力 | 建設通信新聞Digital

5月14日 火曜日

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【能登半島地震リポート】沿岸部の道路啓開1週間で進捗6割/復旧に地域建設業者の力

地域の守り手として懸命な作業が続く(北陸地方整備局提供)

 土砂崩落や道路損壊などの影響で寸断されていた能登半島の交通網が、異例とも言えるスピードで回復している。その陰には道路管理者と一丸となって緊急復旧に当たる、地域の守り手(建設業者)の姿がある。

 国道249号は、起点の石川県七尾市から輪島市などの能登半島を周回して、金沢市を終点とする。能登地域の生活と観光を支えるこの重要路線が「令和6年能登半島地震」で大きな被害を受けたため、北陸地方整備局と日本建設業連合会は連携し、4日から緊急復旧に着手した。

 早期の道路啓開は救命・救援活動の円滑化などに直結することから、24時間態勢で作業を実施。被災箇所が多数判明した沿岸部の進捗は、10日までの1週間で約6割に達している。

 また、石川県建設業協会は同局との災害協定に基づいて道路啓開を展開。孤立集落(七尾市中島町河内地区)の解消に貢献している。

 現在も協会内の地区単位で班編制し、24時間態勢で半島各地の県道などの道路復旧に当たっている。ある協会員は「現場周辺は停電と断水が続いている。われわれが(被災者に)迷惑を掛けるわけにいかないので、食料と燃料などを持ち込み、車中泊で対応している」と過酷な状況を明かす。

 官民一体の復旧活動により、半島内の主要な幹線道路は8割以上が通行可能となっている。

 別の協会員は「被災者の心労を思えば、今こそ建設業者が奮起するとき」と力を込める。一方、消防や自衛隊などと同じく「われわれも自宅や家族を顧みずに昼夜・不眠不休で戦っている。見返りを求めるわけではないが、そのことに少しでも目を向けてもらえれば、労苦が報われる」ともらす。

 

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