千枚田の海岸に新道路/中屋Tはプロテクターに着手/清水、安藤ハザマ施工 | 建設通信新聞Digital

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千枚田の海岸に新道路/中屋Tはプロテクターに着手/清水、安藤ハザマ施工

 「令和6年能登半島地震」で被災した道路の応急復旧工事は、“難所”への対応に移行している。大規模な斜面崩落が発生した国道249号沿岸部の千枚田地区は、海岸の隆起部分を活用した道路整備に着手。ゴールデンウイーク中の供用を目指す。損傷が激しい中屋トンネルでも「プロテクター(内部に断面の小さい新たなトンネルを設置)」の建設が進む。いずれも直轄権限代行のため、北陸地方整備局と災害協定を結ぶ日本建設業連合会の会員企業が施工している。
 同地震道路復旧技術検討委員会がまとめた「当面の復旧に向けた施工方法・留意点骨子」に基づくもので、千枚田地区(石川県輪島市)は地すべり発生リスクが残存していることから、地震動による海底隆起で陸地となった部分に新たな道路を構築する。
 計画では盛土高を抑えた1車線目を造った後に、盛土高を上げた2車線目にとりかかる。既に1車線目を整備しており、5月初めの通行開始を見込む。当面は緊急車両や地元住民の通行に限定する方針だ。施工は清水建設が担当している。
 中屋トンネル(同)は、地すべりなどの大規模な変位が比較的少なく、迂回路がないため、現施設に対策を講じて活用する。具体的には覆工崩落箇所の縫い返し(支保工などの再建て込み)を行った上で、1車線分のプロテクターを設置し、通行を確保する。早期供用に向けて、安藤ハザマが施工している。
【2024年4月17日付紙面掲載】

国道249号千枚田地区の海岸隆起部分に道路を整備


中屋トンネル(提供:北陸地方整備局)