【動画ニュース】さようなら夜間作業/丸高工業『サイレントシステム』 | 建設通信新聞Digital

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【動画ニュース】さようなら夜間作業/丸高工業『サイレントシステム』

 

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 さようなら夜間作業–。新築の工事現場であっても、いまだに土日休みもままならない建設業界。なかでも多種多様な制約に縛られ、就労条件の厳しいのが改修工事の現場だ。創業100年以上の歴史を持つ改修専門会社、丸高工業(東京都品川区、高木一昌社長)は、工事の当たり前だった「うるさい」を「静か」に転換することで、平日昼間の工事を可能にする「サイレントシステム」を開発、提案している。業界の常識を変革し、深刻化する担い手不足の解決に生かす。また、静かな工事は、施設の稼働停止エリアを最小化し、施主やテナントにとっても営業継続による収益確保などの大きなメリットを生み出す。

「静かが当たり前」を目指す高木社長(左から2人目)ら

◇稼働停止最小化で施主にもメリット
 開発に乗り出したのは今から約12年前。高木社長は「当時は仕事の8、9割が夜間作業で、それが嫌で若い人がどんどん辞めていった。それで、もう夜間工事はやめようと思い立った」と振り返る。この4月からは建設業の労働時間規制も始まった。制約条件はさらに強まり、夜間や休日作業をしてくれる技能労働者の確保は難しくなるばかりだ。

 騒音、粉じん、振動がつきまとう改修工事は、施設のオーナーやユーザーに対するさまざまな配慮が不可欠。さらに、夜間や休館時などに作業期間が限定されれば、施工の生産性は低下し、工期の長期化につながる。それは、工事中の売り止めなどによる施設側の営業損失にも直結する。騒音・振動を気にする必要がなくなればどうなるか–。

 丸高工業は、建築改修工事で行われる約800種類もの作業を分類・分析し、その中から131項目の騒音作業を抽出した。具体的な騒音発生原因を突き詰めながら、音の発生を防止・軽減する方法を導き出していった。

 たどり着いたサイレントシステムは、発生音を下げた「消音工具」と、工事音を漏らさない仮設消音壁「サイウォール」という二つの解を組み合わせた製品。40dB以下の気にならない・聞こえないレベルの消音工事を実現する。サイウォールは、国土交通省の新技術情報システム「NETIS」にも登録されている。

サイウォール (消音仮設壁)


 消音工具はドライバー、ボードカッター、丸のこ、タッカー、天井解体棒、油圧切断・拡張工具などさまざまなラインアップを用意。資機材を静かに運搬できる台車もある。これらは自社で企画開発、設計を行い、製品化している。購入のほか、レンタルもできる。

サイドライバー (消音ドライバー)


 極め付きとして解体作業を伴う改修工事で最も使われ、そしてうるさいことから、騒音・振動対策の“ラスボス”と言えるハンマードリルの消音化にも7、8年の歳月をかけて成功した。今秋にも市場投入する見通しだ。

 サイレントシステムはこれまでに、オフィスビルや商業施設、ホテル、病院・福祉施設、マンションなどで150件以上の導入実績がある。上階ホテル運営中のため、騒音作業は土日限定が条件だったテナント内装工事では、平日昼間作業への転換によって、土日作業で180日必要だった工期を100日に短縮した。作業時間は、当初想定の週10時間から週40時間に増えた。工期を短くできる分、トータルの工事費も縮減できる。宿泊客が滞在中の隣の部屋で修繕工事を行ったケースや、手術室の稼働を止めずに病院内の改修工事を実施した事例もあるという。

サイレントパワーカッター (バッテリー式油圧切断工具)


 天井ボードの解体工具類は、足場や脚立が不要のため、安全面や作業効率にも優れる。騒音・振動や粉じんの発生を極力抑えられる仕組みは、現場で働く人の健康や快適な職場環境といった観点からも魅力的だ。近年クローズアップされる健康経営にも生かせる。

◇従来工法との違いを体感 都内にショールーム

 従来工法との違いを実際に体感できる「サイレントシステムセンター」を都内に開設している。各種工具などの消音性能を間近で確認できるほか、隣室や上階で行われている工事にほぼ気付かない施設利用者側の実体験も可能だ。

 場所は豊島区要町2-19-6。東京メトロ有楽町線・副都心線の要町駅から徒歩6分ほど。所要1時間半程度の体感ツアーを随時開催中。予約制で、1人から最大20人まで参加できる。問い合わせは、サイレントシステム事業部・電話03-6429-7925まで。

 

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サイキャリー (静音台車)


ボードカテックス (消音ボードカッター)