福岡県大牟田市の大牟田市庁舎整備基本構想策定審議会(会長・宇都正哲東京都市大大学院教授)は25日、新庁舎敷地に「笹林公園の一部」を選んだ。新庁舎と笹林公園の一体的な活用が可能で、現庁舎新館の敷地に代替公園や広場を設けることで公共性が生まれることが評価された。事業手法は、基本設計先行型DB(設計施工一括)とCM方式を導入する。8月中にも開く次回会合で基本構想素案を審議する。
建設候補地は、現在地(新館敷地)のA案と立体駐車場・福祉労働会館敷地のB案、笹林公園の一部敷地のC-E案の計5案を比較し、最適地がE案、次点がD案とした。
E案は、笹林公園と公園西側の既存立体駐車場敷地を使って東西方向に長い新庁舎と新たな立体駐車場を建設する。施設規模は、新庁舎が9階建て延べ1万8810㎡、立体駐車場が3階建て延べ7541㎡。現庁舎敷地には2700㎡の代替公園と広場を設ける。
一方、D案は、笹林公園内に南北方向に長い新庁舎を建設し、駐車場は既存立体駐車場を活用する。新庁舎の規模は9階建て延べ1万8820㎡と設定した。現庁舎敷地にはE案と同様に代替公園と広場を設ける。
概算事業費は、CM業務委託費2億8000万円、計画策定費5000万円、設計費6億4000万円、監理費3億4000万円と試算した。工事費は今回の結果を踏まえて算出する。使用年数75年間のランニングコストは、維持管理費192億3000万円、解体処分費7億3000万円を見込む。
次回会合での審議を経て、9月議会に報告し、10月のパブリックコメント実施、年明けの答申、2025年3月までの構想策定を目指す。
新庁舎敷地を笹林公園の一部とした場合の事業スケジュールは、25年度から都市公園の変更手続きに着手し、26年度の基本計画、27年度の基本設計、28年度のDB事業者選定、28-32年度の実施設計・建設工事、32年度の新庁舎の供用開始を予定している。