鹿児島市は、民間事業者による複合施設開発が計画されている加治屋町1番街区の市街地再開発事業と高度利用地区の都市計画原案をまとめた。高度利用地区の指定で容積率を現状の「600%」から「850%」に緩和する。建ぺい率は「80%」から「70%」に変更し、壁面位置は北面3m(2階以上は除く)、他面2mに制限する。7月2日に住民説明会を開き、同月中旬の都市計画案の法定縦覧を経て、8月の都市計画審議会に諮り、同月内の都市計画決定を目指す。
JR鹿児島中央駅地区と天文館地区の中間に位置する同街区で、加治屋町1番街区市街地再開発準備組合(下田代和久理事長)が住宅や商業施設などで構成する複合施設の開発を計画している。施設規模はRC・S造地下1階地上26階建て延べ約5万2600㎡。1、2階が商業・業務施設、3-26階が住宅(約420戸)となる。駐車場約240台を確保する。
建物の低層部はガラス張りの外観、高層部は歴史と文化のまちにふさわしい鹿児島の「黒」を基調としたデザインとする。同街区北側の電車通り沿いに路面店を連続して配置し、街区の両端に広場を設ける。建物の壁面後退を利用した快適な歩行空間を創出し、再開発ビルと同街区西側の甲突川左岸緑地を結ぶ上空通路を整備する。
2025年度の本組合設立認可と再開発ビルの実施設計、26年度の権利変換計画認可、27年度の既存建物解体と再開発ビル着工、30年度の再開発ビルの完成を予定している。