【記者座談会】国交省の幹部人事/CCUS処遇改善推進協議会 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【記者座談会】国交省の幹部人事/CCUS処遇改善推進協議会

◇技官の事務次官誕生 道路系は6年ぶり

A 通常国会が閉会し、各府省庁の幹部職員が交代する夏の人事異動時期を迎えた。国土交通省人事の注目点は。

B 事務次官に技官の吉岡幹夫技監が7月1日付で就く。国交省の事務次官ポストは、「旧建設省入省の事務官」「旧建設省入省の技官」「旧運輸省入省の事務官」の3枠で回すことが慣例。現事務次官は旧建設省の事務官で、前任者は旧運輸省の事務官だったから、技官のトップである吉岡技監の就任は順当だね。

C 技官の事務次官は3年ぶり、道路系技官では森昌文首相補佐官以来6年ぶりだ。

D 吉岡氏は、若いときから道路系技官の中で将来の事務次官候補との呼び声が高かったと聞く。i-Construction2.0の策定を主導するなど、技監を3年務め、満を持しての事務次官就任と言える。

B 後任の技監は廣瀬昌由水管理・国土保全局長になる。河川系技官のエースと呼ばれてきた人だ。

D 不動産・建設経済局長には、建設業課の企画専門官や課長を務めた平田研官房総括審議官が就く。標準労務費の作成に向けた専門工事業団体との調整など、第3次担い手3法関係で難しい仕事を控える中、その手腕が期待される。

B 第3次担い手3法の成立に尽力した塩見英之不動産・建設経済局長は総合政策局長に就任する。国土交通行政の総合調整を担うことになる。

A 審議官はどうなるの。

C 直轄土木工事・業務の発注行政を担当する官房技術審議官に沓掛敏夫道路局企画課長が就く。橋本雅道官房審議官(技術・道路)兼技術調査課長は課長職を外れ、審議官に専念する。

B 官房審議官(技術・道路)は6月1日付の新設ポスト。7月から本格始動になる。2人の役割分担は、沓掛氏が技術調査課、橋本氏が参事官(イノベーション)グループを見ることになりそうだ。

◇活用メリット拡大へ3ヵ年計画案を提示

A 話は変わるけど、20日に建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会が開かれた。ポイントは。

国交省が新たな計画の案を提示したCCUS処遇改善推進協議会


B 国交省が建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用拡大に向けた3カ年計画の案を提示したことと、協議会として活動する24、25年度の一人親方対策を申し合わせたことの2点だ。

C 特に目新しいのはCCUSの計画案だ。技能者・事業者登録は一定程度進んだ一方、それに見合ったカードタッチが現場で行われておらず、技能者のレベルを判定する能力評価も低調なため、技能者や事業者がCCUS活用で実感できるメリットを拡充し、利用拡大につなげる。改正建設業法に基づく取り組みと一体的に進める。

D 目玉施策は「技能者を大切にする適正企業の自主宣言制度」の創設。公共工事の受注機会を拡大するなど、適正取引や処遇改善に取り組んでいることを宣言した企業をさまざまな点で優遇する。

C CCUSを活用した現場管理の効率化やCCUS上で資格者証の情報を表示できるアプリ開発などにも取り組む。アプリを使えば、技能者は紙の資格者証を携行する必要がなくなる。専門工事企業の施工能力などを見える化評価する制度の見直しも位置付けた。

B 協議会では、建設業団体などから計画案におおむね賛同する意見が上がっていた。国交省は、意見を踏まえて内容をブラッシュアップした上で計画をまとめることにしている。今後具体化される個別施策に注目だね。

 

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